アウトドア愛好家たちに大人気の素材・メリノウール。今回はそのメリットやデメリット、オールシーズン使えるおすすめの製品をご紹介します!
メリノウールとは?
メリノウールとは、オーストラリアやニュージーランドで飼育されているメリノ種という羊の毛のことです。保温性が高く、羊毛の中で最も高級な一品とされています。モンベルやゴールドウインなど多くのアウトドアブランドがメリノウール製のインナーやソックスを販売しており、特に秋冬のアウトドアには欠かせません。
メリノウールの4つのメリット
メリノウールの特徴として、次の4点が挙げられます。
1. 優れた保温性
2. 高い防臭力
3. 通気性の良さ
4. 肌触り
1. 寒い季節でも安心の "優れた保温性"
羊毛の繊維は、大気中の湿気を吸収して熱を発生させます。そして繊維の表面にあるスケールという鱗状の組織が、この熱を逃がさない働きを持っています。
中でもメリノウールの繊維は、ほかの羊毛より縮れ(クリンプ)が細かく、絡み合いやすいです。そのため中にデッドエア(動かない空気)をたくさん含んでいます。
デッドエアは人の体温で温まり、その温かさが今度は着ている人の体を温めてくれる、という相互効果を生みます。メリノウールはこの機能にとても優れているんです。
2. ニオイが気になる人も安心の "高い防臭力"
メリノウールは天然素材で免疫機能を持っているため、それ自体が防臭力を持っています。
人間は細菌が体内に侵入すると、免疫が働いてこれを無害化します。同じように、メリノウールはニオイの原因となる細菌を抑制してくれるので、不快なニオイを防げるのです。
3. 夏でも快適に着られるほど "通気性が良い"!
ヒツジは1年を通じて羊毛でフサフサですが、夏も普通に過ごしています。それは羊毛の通気性が抜群だからです。
この特性はメリノウール製品にも備わっています。だから秋冬はもちろん夏に着ても問題ありません。
メリノウールは吸湿性が高く、汗を素早く吸収・発散してくれます。このとき汗とともに余分な熱も放出されるんです。「保温性に優れているってことは、暑いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、服の中の蒸れを防いでくれるので、むしろ快適に過ごせるんです。
4. "肌触りが良いから" からだに優しい!
ウール製品は「チクチクしてかゆくなりそう・・・」と思う人もいらっしゃると思います。しかし、今のウールは繊維がとても細かいため、チクチクする不快感はほとんどありません。
メリノウールの3つのデメリット
メリノウールのデメリットについてもふれておきましょう。大きくは次の3つです。
1. 毛玉ができやすい
2. 乾きにくい
3. 虫食いに弱い
1. 素材が絡みやすいため "毛玉ができやすい"!
高い保温性能を支えるメリノウール表面の組織「スケール」ですが、これは互いに絡まりやすいため、毛玉ができやすいです。
2. 保水力が高いため "乾きにくい"!
メリノウールは保水力が高く、速乾性の優れた素材に比べると乾くのに時間がかかります。そのため大量に汗をかく方や、速乾性が求められる激しいスポーツには向きません。
ただ、保水している状態でも保温力は失われないため、登山のような行動と休憩を繰り返し行うスポーツでは、問題なく使用できます。実際、登山愛好家のあいだでは、汗冷え防止のためにメリノウール製品が人気です。
3. "虫食い"に気を付ける!
メリノウールは天然素材のため、虫が大好きです。そのため長期間保管する場合は、虫食い対策をしてから保管しましょう。
<簡単な保管方法>
①洗濯して干したあと、アイロンをかけて殺菌する。
②圧縮袋に、防虫剤とメリノウール製品を一緒に入れて保管する。
※洗濯表記を見て、正しい方法・温度で行ってください!
オールシーズン着用できるオススメのメリノウール製品!
ここからは1年を通して着用可能なオススメのメリノウール製品をご紹介します! ぜひご参考にしてくださいね。
アイスブレーカー:アナトミカショートスリーブV(メンズ)
ニュージーランド産の高品質メリノウールを採用しているウエアです。
素材はメリノウール83%・ナイロン12%・ポリウレタン5%。ナイロン芯に巻きつけたコアスパン糸を採用しており、メリノウール100%製品より耐久力に優れています。そのためどれだけ洗濯しても、摩耗などがありません。着用のたびに洗うアンダーウェアには、嬉しいポイントですね。
またストレッチ性にも優れ、身体の動きにしっかりフィットするので、とても動きやすいですよ!
スマートウール:メリノ150ベースレイヤーパターンボトム(メンズ)
薄手のため1年を通して着られるのがメリットです。またフラットロックシーム(縫い目の段差をフラット=最小限にする縫製法)を採用しているため、着心地が良く、耐久性にも優れています!
おわりに
メリノウールは、確かにデメリットもありますが、それ以上にメリットが多いオススメの素材です。ぜひお気に入りのメリノウール製品を探してみてください!
自然をこよなく愛するアウトドアライター。テント泊が大好きで、テントを張れる場所であればどこでもテント泊します。わいわいキャンプも好きだけど、少人数のしっぽりキャンプも好き。培った経験をもとに、使っているギアや読者様のタメになる情報を発信していきます。