春から夏にかけて、アウトドアで遊ぶ機会が多くなる季節です。それに伴い、紫外線が強くなる季節でもあります。
日焼け止めや乾燥防止対策などお肌のケアは忘れずにする人が多いのに比べ、髪の毛や頭皮へのケアはわりと忘れがち!
特に、野外で過ごす時間の長いキャンプや登山などのアウトドアでは、髪の毛の傷みが進行しやすく、一度傷むと髪の毛は修復することができないため、傷んでからでは手遅れになることも。健康な髪に戻るまで髪の毛が生え変わる以外方法がないため時間がかかります。
いつでも健康でキレイな髪であるために、今回は簡単にできるヘアケア術をお伝えいたします。
野外での髪への影響は?
【紫外線】
・頭皮へのダメージ
頭皮も皮膚なので、顔や腕、脚などと同じく紫外線から守る必要があります。
皮膚には皮膚表面を守る役割の保護膜があり、さまざまなダメージを防いでくれますが、紫外線によってその保護膜が酸化してしまいます。酸化してしまうと、ほかの肌と同じように皮膚が赤くなったり、毛穴が炎症を起こしやすくなります。毛穴が炎症を起こすことによって皮脂が多く分泌し、毛穴を詰まらせてしまう恐れがあります。
毛穴が詰まると髪の毛を作る細胞の働きが衰え、薄毛の原因になることも!さらに毛根の内部にある色素細胞が傷むと白髪を発生させることにもなりかねません。白髪が増えると外見年齢が上がり、一気に老け込んだように見えてしまい残念な結果に...
・髪のパサつき、乾燥
髪の毛一本一本を、外部からの刺激によるダメージから守っているのがキューティクルです。キューティクルは髪の毛の一番外側にあり、髪の毛の主成分であるたんぱく質や、髪の毛の水分を逃がさないようコーティングされており、髪の毛にツヤを与えてくれます。
しかし、キューティクルは繊細でちょっとしたことからめくれたり、剥がれてしまいます。キューティクルが剥がれることによって、たんぱく質や水分、保湿成分が減少してしまいます。結果、髪の毛が乾燥し、パサついたり枝毛、切れ毛の原因となってしまいます。
その大きな原因となっているのが紫外線なのです。
・髪の変色
髪の毛は内側から髪の毛の色を作る働きがあります。それが色素を作るメラニンです。紫外線にはメラニンを分解する働きがあり、紫外線によってメラニンが分解されると髪の毛の色が抜け始め、少しずつ赤い色になっていってしまいます。
プールや海など、濡れた髪の毛をそのまま紫外線にされしておくと、ダメージは倍増。
特にカラーリングを施している髪の毛にはメラニン色素が少ないため、紫外線からの防御力が低いため、さらに悪影響を受けやすいので気を付けましょう。
【ホコリ】
風によって砂やチリが飛び、髪の毛に付着し、その汚れが髪にとって悪影響を及ぼすことがあります。
アウトドアではホコリやチリを避ける事が難しく、髪の毛が汚れるのは当たり前のことです。これからの季節は、なおさら動くと汗をかき、かいた汗で頭皮が湿りホコリが付着しやすくなります。
その汚れによって毛穴がふさがれたり、臭いの原因となる可能性があります。
【汗・皮脂】
特に暑い日は、体だけではなく頭からも大量の汗をかきます。汗をかくことによって皮脂や塩分の分泌があり、頭皮の毛穴を詰まらせてしまったり、髪の正常な成長を妨げてしまう恐れがあります。
帽子をかぶることが多いと思いますが、長時間かぶり続ける事で帽子内の温度、湿度が高くなり、蒸れが発生します。
蒸れは、汗や皮脂を過剰に分泌させ、さらに髪の毛の成長を妨げる原因となる場合もあります。
健康な髪とは
では健康的な髪の毛とは、どのような状態なのでしょうか?
・ツヤがある
・指どおりが良い
・弾力があり、こしがある
・髪の毛の1本1本が太い
・枝毛、切れ毛になりにくい
・過度な変色をしていない(ヘアカラーを除く)
上記のポイントを満たすには、髪の毛の内部に十分な水分があり、空洞が少なく成分が密な状態であることです。そして髪の毛の表面にはキューティクルの欠損がなく、均等に覆われている状態であることも大事なポイントです。
簡単!ヘアケア術
【外出前】
髪の毛へのダメージ対策は、自宅を出る前から準備が必須です。
家を出る前に帽子とUVスプレーの両方で紫外線をブロックしましょう。
帽子は熱中症対策だけではなく、髪の毛や頭皮を紫外線から守り、頭皮の乾燥や抜け毛などを予防してくれます。紫外線カット率の高い加工を施してある帽子を使用すると効果的です。
さらに、紫外線をブロックしてくれる髪の毛専用のUVスプレーを併用すると、より効果が高まります。
【外出時】
日中は、たくさんの汗をかいて頭皮や髪の毛が濡れ、帽子内がサウナのようになります。吸水性の良いタオルやハンカチなどで、こまめに汗を拭くようにしましょう。
濡れたままの状態でいると、頭皮や髪の毛が傷む原因になります。それに帽子も湿ってしまうと、頭から汗冷えを起こす可能性があります。
休憩時など、日陰で帽子を取り乾燥させるのも良いでしょう。
【帰宅後】
帰宅後や、宿泊先に到着したら、必ず洗髪をするようにしましょう。通常では髪の毛を濡らしシャンプーをしますが、いきなりシャンプーで洗わずに、先にお湯だけで汚れを落とすように髪をサッと洗い流すとより効果的に汚れが落ちます。
シャンプー後には、髪の毛を塗れたまま放置をせず、ドライヤーで乾かしましょう。髪の毛が濡れている状態のままだと雑菌の繁殖やニオイの原因となります。さらに頭皮が冷えることで血行が悪くなり、抜け毛の原因となります。
ドライヤーをかける前に、しっかりとタオルドライすることで、髪の毛を乾かす時間短縮にもつながります。
もし宿泊先などで洗髪ができない環境であった場合、水のいらないシャンプーでケアするのもおすすめです。
日常生活での注意点
【睡眠不足】
健康維持にとって、とても大切な睡眠。体だけではなく、髪の毛にとっても睡眠不足は神の健康の大敵です。
髪の毛も肌と同じように、良質な睡眠をとることでリラックス状態になり、夜にキレイな髪が作られやすくなると言われています。
夜更かしを控え、じゅうぶんな睡眠時間を確保し、できるだけリズムが乱れないようにすると良いですね!
【運動不足】
「たまにアウトドアで体を動かすから大丈夫」と思っていませんか?普段は座っていたり、同じ場所に立っているなど体を動かす機会が少ないと、血行が悪くなり髪の毛の健康にも悪影響があるとされています。
血行が悪くなることで髪の毛に必要な栄養素が行き届かずに、栄養不良の髪の毛になってしまいます。
時間のある時にはなるべく体を動かし、血行を良くしましょう。できればストレッチ運動も取り入れると良いですね。ストレッチは血行を良くするだけではなく、凝り固まった筋肉や筋を伸ばすのに良い運動です。さらに気分がリフレッシュされ、髪の毛にも良い影響が得られます!
【栄養不足】
髪の毛の健康に必要な栄養素は、・ビタミン・ミネラル・たんぱく質です。体と同じように、口から入ったものが髪の毛を作る材料になります。
日常の食生活で、インスタントやファーストフードなどの摂取が多い人は、なるべく野菜や乳製品、良質なたんぱく質などバランス良く摂れる食生活を意識しましょう。
【アルコール・タバコの過剰摂取】
暖かい季節になると、アウトドアで飲むビールは最高ですよね!しかもアルコールは血行が良くなり、髪の毛に良いのでは?とも考えられます。しかし、アルコールの過剰摂取は身体だけではなく髪の毛にも悪影響をもたらす可能性があります。
それは、アルコールを摂取するとアセトアルデヒドという肝臓で分解してできる物質が、頭皮や髪の毛に行きわたる栄養を妨げてしまう事があります。
アセトアルデヒドという物質は、血液に含まれている栄養や酵素を押しのけてしまう性質があり、頭皮や髪の毛に悪影響をもたらすと言われています。
おしまいに
健康な髪の毛でいるために、外出中に帽子をかぶるだけではなく、日常生活からできることもたくさんありますね。
アウトドアで思いきりリフレッシュした後は、紫外線や汚れ、汗等で傷みかけた髪の毛と頭皮をリフレッシュしてあげましょう!
【仕事】・フリーライター
【趣味】・登山 ・旅 ・日本酒 ・夫婦で晩酌 ・愛犬「山葵」と戯れる ・自然に触れる
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