よく見るけれど意外と知らない「春の草花」の名前15種

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暖かい陽気になり、いろいろな植物が芽吹きだしました。

色気のなかった景色が新緑と色とりどりの花の色で覆われるこの季節、散歩をする人の姿をよく見かけるようになりましたね!

新鮮な空気を吸いながら、遠くの景色をみるのも気持ちが良いのですが、足元にも注目してみて下さい。

見たことはあるけれど、雑草だからあまり気にも留めず、名前も知らなかった草花。

この機会に春の草花の名前を憶えてみませんか?

 

・オオイヌノフグリ

春の野花としてお馴染みのこちらの花。青く小さい花をつける可愛らしい花ですが、名前は変わっていますよね!名前は花からではなく、実の形からきたそうです。

昔から見慣れてはいますが、実は明治以降に渡来した外来種なのです。

耐寒性があり、冬の間も花を咲かせることもあります。陽があたると一斉に水色の花が開花し、受粉したとたんに散ってしまいます。可愛らしくて摘んで帰りたいところですが、すぐに散ってしまうので、道端で観察する方が良さそうですね。

<科名>:オオバコ科

<草丈・生活型>:10cm~40cm・越年草

<原産>:西アジア~中近東

<花期>:2月~4月

<花色>:水色

 

・トウダイグサ


道端や野原の日のよく当たる場所に生息します。

茎の先に放射状に小枝が伸び、枝先に小さな苞葉と花がつきます。果実はまるで鈴が垂れ下がったような形のものが実り、別名「スズフリバナ」とも呼ばれます。花は小さい黄緑の色をしているため、満開に咲いていても分かりづらいです。

まるで幾何学模様のように規則的に並んだ苞葉が特徴的。花の黄緑と葉の緑のコントラストが若々しいフレッシュなイメージで目を惹かれますね。でもキレイな見た目ですが、茎をちぎると出てくる白い液は、さわるとかぶれる恐れがあるため注意してください!

名前の由来は、苞葉と花が付いた状態が、昔に使われていた「燈台」という照明器具ににていることからこの名が付いたと言われています。

<科名>:トウダイグサ科

<草丈・生活型>:20cm~40cm

<原産>:本州~沖縄

<花期>:3月~5月

<花色>:黄緑色

 

・ショカツサイ


陽当たりの良い場所を好み、キレイな紫色の花を咲かせますが、木陰でも花を咲かせます。

もともとは江戸時代に観賞用として栽培されていたショカツサイですが、こぼれたタネでよく殖えるため、各地で野生化しています。

栽培の歴史が長い事から、ショカツサイという名前のほかに、ハナダイコン、ムラサキハナナ、シキンサイ、オオアラセイトウなど、多くの名前を持つ植物として有名です。

果実はまるで針のように細長く上に真っすぐ伸びた形をしています。

まれに白い花をつける株もあるようです。

<科名>:アブラナ科

<草丈・生活型>:30cm~80cm・越年草

<原産>:中国

<花期>:3月~5月

<花色>:紫色・白色

 

・ムラサキケマン


山野に生息する、赤紫色の花が可憐なムラサキケマン。その他、純白の花を付けるユキヤブケマンや、白花で少しだけ赤紫色の部分があるシロヤブケマンという花の色の違う種類があります。

果実は細長く下に垂れた形をしていて、熟すとパチンとはじけて中の種を派手に飛ばします。また種にアリの好物(種沈)をつけ、アリにも種を運んでもらってます。

名前の由来は、仏壇を装飾する「華鬘(ケマン)」に見立てられるほど美しい赤紫色の花をつけることからきたそうです。

名前のように可憐で美しい名はですが、有毒植物の一種で葉や茎をちぎると悪臭を放ちますので気を付けて下さい。

<科名>:ケシ科

<草丈・生活型>:20cm~50cm・1年~越年草

<原産>:本州~沖縄

<花期>:3月~5月

<花色>:赤紫色・白色

 

・ケキツネノボタン


日当たりの良い水辺に生息します。

黄色く光沢のある可愛らしい花を咲かせ、花期が長く夏にかけて咲き続けます。果実は集まって付き、とげとげした金平糖のような形をしています。

名前の由来は、葉っぱの形が園芸植物の「牡丹(ボタン)」に似ていることから、キツネが化けた牡丹(ボタン)ようだと名付けられたそうです。

山菜のセリと同じ環境で育ちよく一緒にはえているため、セリ摘みの際に一緒に混入しがちですが、ケキツネノボタンは有毒植物で食べると中毒を起こす恐れがあるので十分に気を付けましょう。

<科名>:キンポウゲ科

<草丈・生活型>:40cm~60cm・越年草

<原産>:本州~九州

<花期>:3月~7月

<花色>:黄色

 

・コメツブツメクサ


クローバーの仲間で、黄色い米粒のような小さな花をつけるコメツブツメクサ。

芝生や荒れ地などに生息し、乾燥した場所を好みます。草丈は伸びても約40cmほどで、細かく枝分かれするため花が咲くと足元一面が黄色い絨毯のように広がって見えます。

花が終わると花弁はそのまま残り、その中で小さな果実が育ちます。果実が育つと花弁は茶色っぽく変色をします。

<科名>:マメ科

<草丈・生活型>:15cm~40cm・越年草

<原産>:ヨーロッパ~西アジア

<花期>:4月~6月

<花色>:黄色

 

・カラスノエンドウ


陽当たりの良い野原などでよく目にする、カラノスノエンドウ。

ピンと姿勢よく生え上に伸びていますが、実は自分の重さにも耐えられないほど茎が軟らかいそうです。葉の先の巻きひげを周囲にある物に絡ませながら上へと立ち上がっていきます。

まとまって株がある時は、お互いの巻きひげを絡ませて、うまく支えあっているそうです。

果実は熟すとカラスのように真っ黒になり、やがてパチンと音を立てて表皮がはじけ、中の種が飛び散ります。

名前の由来は、カラスのように真っ黒な色の、エンドウ豆に似た実を付ける事からきています!

<科名>:マメ科

<草丈・生活型>:15cm~40cm

<原産>:本州から沖縄

<花期>:3月~5月

<花色>:赤紫色・桃色・白色

 

・スズメノヤリ


陽当たりが良く乾燥した芝地や野原を好み生息します。

茎の先に茶色い花が集まって付き、花の穂は毛槍のように見えます。スズメが持つような小さな槍に見える事から名前が付いたそうです!

花の無い時期は、他のイネ科の植物の若い苗にも似て見分けがつかなさそうですが、スズメノヤリには白く長い毛がおおいことから見分けることが出来ます。

また冬の間は、寒風にさらされ鮮やかな赤色に紅葉します。

<科名>:イグサ科

<草丈・生活型>:10cm~30cm・多年草

<原産>:全国

<花期>:3月~5月

<花色>:茶色

 

・ギシギシ


湿った野原に多く生息します。

花や果実をギッシリとつけますが、葉、花、果実とも緑色であまり目立たないのが特徴です。花が終わったとは、大きくなった花被片に包まれるように果実が付き、熟すと淡い茶色に変色します。

若い芽は粘液に覆われることから「おかじゅんさい」とも呼ばれ、食用にもなるそうです。

ただ、この仲間は外来種も含めた似たような種類が多く生息し、同じ場所に複数の種類が交わって生え、雑種もよくできます。

<科名>:タデ科

<草丈・生活型>:60cm~100cm・多年草

<原産>:北海道~九州

<花期>:4月~7月

<花色>:緑色

 

・ニワゼキショウ


陽当たりの良い乾燥した芝地に多く生息し、群生することもあります。

花は、花びらに縦に縞模様が入っており、紫色もしくは白色の花を付けます。ごくまれに縞模様の無い純白な花を付ける株もあるそうです。

1つの花の寿命はたったの1日で、午前10時ころに開きはじめて、お昼過ぎには少しずつ閉じていきます。夕方になると完全にしぼんでしまう、花寿命の短い植物です。1番キレイは花がみれるのはお昼前後です。

名前の由来は、花のない時期の姿がサトイモ科のセキショウに似ていることからきています。

<科名>:アヤメ科

<草丈・生活型>:10cm~20cm・多年草

<原産>:北アメリカ

<花期>:4月~6月

<花色>:紫色・白色

 

・コバンソウ


小判によく似た形の穂がたくさんぶら下がり、成熟すると麦わら色に輝きます。

成熟した穂は水分が少なく乾燥気味のため、風が吹くとカサカサと音を立てて、かんざしのように揺れます。

日本には明治初期に観賞用として渡来し、ドライフラワーとして利用されています。

こぼれた種で繁殖するため、道端などに野生化したコバンソウが見れるようになりました。

ちなみに穂の部分がもっと小さいヒメコバンソウがも、道端や荒れ地でみかけることが多いです。

<科名>:イネ科

<草丈・生活型>:30cm~70cm・一年草

<原産>:ヨーロッパ

<花期>:4月~6月

<花色>:緑色

 

・ムラサキカタバミ


赤紫色の花が可愛いムラサキカタバミは、よく見ると花の中心が黄緑色の美しい花です。

江戸時代に園芸植物として導入されました。現在はあまり栽培されることはありませんが、野生化したものが各地で広がり道端で目にする機会が多くなりました。

株もとに小さな鱗茎を数十個も作り増えていきます。土を耕すとその鱗茎が拡散し、一気に土地全体に広がります。

花の中心部が濃い紅色のベニカタバミもムラサキカタバミの仲間で、道端で見ることが出来ます。

<科名>:カタバミ科

<草丈・生活型>:5cm~15cm・多年草

<原産>:南アメリカ

<花期>:5月~8月

<花色>:赤紫色

 

・タネツケバナ


田んぼ川べりなどの湿地帯を好み、群生しています。

春先に一斉に開花し、白く小さい花で一面を絨毯のように埋め尽くします。

名前の由来は、苗代の準備で種も荷を水に浸ける作業を行う時期に、花が咲く事からきているそうです。

果実は細長い棒状で、熟すとパチンとはじけ、種が広い範囲に飛び散ります。

このタネツケバナは食用として利用されており、茎や葉は美味との事!ちなみにタネツケバナの仲間として、山地の渓谷に多いオオバタネツケバナは、四国地方では「ていれぎ」と呼ばれ、流水の中で育てられたものが野菜として利用されています。

<科名>:アブラナ科

<草丈・生活型>:15cm40cm・越年草

<原産>:北海道~九州

<花期>:2月~5月・10月~11月

<花色>:白色

 

・ヒメオドリコソウ


道端や畑などでよく目にする春の草花の定番となっているヒメオドリコソウですが、昔からあったわけではなく、明治以降に日本に着たそうです。

クリスマスツリーを連想させるような可愛らしい姿で、上部の葉の部分は、ほんのりと紫がかった色になります。

白花品種のシロバナヒメオドリコソウは、稀に見ることが出来ます。

<科名>:シソ科

<草丈・生活型>:10cm~20cm・越年草

<原産>:ヨーロッパ

<花期>:2月~5月

<花色>:桃色・白色

 

・ホトケノザ


ホトケノザは上記のヒメオドリコソウとよく似ていると言われています。こちらも道端や畑など、身近な場所に多く生息しておりよく目にしますね!

一斉に咲く赤紫色の花々は、足を止め見入ってしまうほど美しいものです。

花を引き抜いて、花びらの付け根を吸うと、甘い蜜を楽しむことが出来ます。ただ環境によってつぼみのような閉鎖花で終わってしまう事もあります。

名前の由来は、花の下側にある葉っぱが茎を包むような形を仏の蓮華座に似ていることからついたそうです。

種はアリによってあちこちに運ばれるため、コンクリートの隙間などから生えていることも多々あります。

<科名>:シソ科

<草丈・生活型>:10cm~30cm・越年草

<原産>:本州~沖縄

<花期>:11月~4月

<花色>:赤村秋色・桃色・白色

 

おしまいに

今回は「よく目にする」に焦点を当てた15種類の草花たちをご紹介いたしました。

春の草花はまだまだたくさんのの種類がありますので、興味ある方は携帯に便利なポケットタイプの草花図鑑を持ち歩くと、より多くの草花を知ることが出来るのでおすすめです!

 

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