アウトドアとは切っても切れない関係の「虫」。楽しいキャンプのはずなのに、「虫に刺されるのがもうイヤだから行かない!」と家族に言われてしまってはどうしようもありません。
大切なのは、虫に刺されないための事前準備。必須の防虫対策とおすすめの虫除けアイテムをご紹介します。
対策1:そもそも虫の少ない季節や場所を選ぶ
By: Konstantin Leonov | GONE. RIP FLICKR. | http://oldstable.org/ | https://twitter.com/k_oldstable
とにかく虫が嫌い!虫に会いたくない!という場合は、虫が多い夏のキャンプは避け、気候も快適な春や秋にキャンプに行くのがよいでしょう。
虫の種類や場所によっても異なりますが、蚊やアブ、ブユ(ブヨ・ブト)などの刺す虫は6月から9月が一番多い時期となります。
また、山中や森、林間のキャンプ場よりも、芝生のキャンプ場のほうが虫が少ない傾向があります。また、同じキャンプ場の中でも虫が多い場所と少ない場所がある場合があります。
蚊やハチなどの飛ぶ虫だけでなく、ヒルが出やすい場所もあります。山中や沢、渓谷沿いなどのキャンプ場は季節によってはヒルに注意が必要です。事前にキャンプ場の虫出没情報を調べてみるとよいでしょう。
対策2:スクリーンタープを使用する
By: MIKI Yoshihito
虫のいない快適なリビングを作りたいなら、全面がメッシュで覆われたスクリーンタープを使用するとよいでしょう。ただし、夏場は熱気がこもりやすく熱中症の危険などもありますので、日陰を選んで設置することをおすすめします。
対策3:ランタンの位置を工夫する
By: MIKI Yoshihito
一番明るいランタンをランタンスタンドに吊るして、食事などをするリビングから少し離れた場所へ設置します。人が集まる場所には少し暗いランタンを設置します。
そうすると、蛾や羽虫などがそちらの灯りに誘導されて、リビングに寄って来にくくなります。
対策4:肌の露出を減らす
蚊やアブ、ブユに刺されないようにするには、極力、肌の露出を控えるのが一番の対策です。
夏場は暑くて大変ですが、半袖半ズボンの下に冷感素材のアンダーウェアやスパッツを履くなど工夫してみましょう。虫が増える夕方になったら長袖長ズボンに着替えるという方法もいいですね。
また、防御しにくい首周りはタオルを入れ込むのがおすすめです。汗対策にもなります。
対策5:足を除菌する
By: Toshimasa Ishibashi
最近の研究で、足裏の常在菌が多い人ほど蚊に刺されやすいことがわかってきました。そこでオススメしたいのが、足を洗ってからアルコール入りのウェットティッシュで除菌すること。
蚊に刺されやすい妹を助けたいと、独自に研究を行ってきた京都教育大学附属高校2年の田上大喜(たがみだいき)くん(16)。妹のいったい何に惹かれて蚊が集まるのかを様々な実験で調べたところ、靴下に蚊が反応し、盛んに血を吸おうとする行動を起こすということを発見しました。
さらに田上君は、多くの人の足の「常在菌(じょうざいきん※)」を培養してみました。すると蚊に刺されやすい人とそうでない人とでは常在菌の種類が大きく異なっていることをつきとめました。蚊に刺されやすい人は足の『常在菌の種類が非常に多い(多様性が高い)』ことが分かったのです!
専門家によると、人間が鼻でかぎ分けられるいわゆる「匂い」とは別に、一部の常在菌が出す脂肪酸などの化学物質や、その割合が『蚊を興奮させ、血を吸う行動をひきおこす』のではないか、ということです。
蚊が増える夕方を迎える前に、一度足をキレイにしておくとよさそうですね。
おすすめの防虫スプレー
そして、やっぱり頼りになるのが防虫スプレーです。
イチオシのハッカ油
最近、虫除けの効果が高いとして注目されているのがハッカ油です。通常の虫除けスプレーがブユには効かないのに対し、ハッカ油はブユ避けにも効果があるとされています。
蚊よりもブユに刺されたときのほうが痒みがひどく長引きやすいので、蚊とブユを一緒に避けられるハッカ油はオススメです。天然素材でできているのも安心ですね。
筆者はひと夏のあいだ、キャンプやバーベキュー、夜の花火などにハッカ油スプレーを利用していましたが、一度もブユに刺されませんでした!
ただし、効果が薄れるのが早いので、スプレータイプのものを持ち歩いてこまめに塗りなおす必要があります。また、塗るとかなりスースーしますし、キズがあるとしみて痛いので、お子さんに使用するときは気をつけてあげてくださいね。
肌が弱い人やお子さんにはパーフェクトポーション
女性やお子さんに人気なのが「パーフェクトポーション アウトドアスプレー」です。これは虫除けではなく、虫が嫌がる匂いの精油が入ったスプレーです。
オーストラリアのオーガニックブランドが作っているこのスプレーは、生後6ヶ月の赤ちゃんから使用可能で敏感肌の方やお子さんでも安心して使えます。
お友達がキャンプのときに持ってきていたので使わせてもらったのですが、虫は嫌がる匂いでも、人間にとってはいい香り!人気があるのもうなずけます。
塗り方にもポイントが
一般的な虫除けスプレーに入っている「ディート」という成分は、蚊から人間を目隠しする役割を持っています。少しでも塗っていない部分があるとそこは蚊に認識されてしまうので、「虫除けを塗っていたけど蚊に刺された」ということが発生します。
そのため、虫除けスプレーはハンドクリームを塗るようにまんべんなく肌に塗っておくのがよいそうです。
屋外用虫除けアイテム
置いておくタイプの虫除けアイテムも、しっかり準備しておきましょう。
パワー森林香
山林で働くプロ御用達の蚊取り線香。一般的な蚊取り線香よりも煙の量が多く、匂いも強いため、強力に蚊を防ぐことができます。
シトロネラキャンドル
虫が嫌いな柑橘系の匂いがするキャンドルです。とてもいい匂いがします。見た目にも灯りに癒されるので、いくつか買ってサイトの周りに置いておくと雰囲気も良くなり一石二鳥です。
最新!虫除け機能ウェア
さらに注目したいのが、虫除け機能のついたシャツや帽子、バンダナなどのウェアです。
防蚊加工ウェア
防虫効果のある新素材を使用したウェアです。
新素材「スコーロン」はアース製薬とテイジンが共同開発した素材で、蚊やマダニなどを防ぐ効果が確認されています。シャツに虫がとまると、防虫効果を感じ取って去って行くそうです。
ただしスコーロンは、安全性の試験を成人向けにしかしておらず、現在のところ、敏感肌の方や小さなお子さんは使用を避けたほうが良さそうです。
虫除けバンダナ
虫が嫌うキク科の天然成分を人工的に再現した成分が含まれているインセクトシールド加工のバンダナです。つけておくと虫が去って行く効果が実証されています。
バンダナ自体は無臭。かわいい柄がたくさん発売されています。
刺されたときのために
これだけ対策していても、刺されてしまうことはあります。いざというときのために携帯しておきたいのが、ポイズンリムーバーと虫刺されの薬です。
ポイズンリムーバー
刺された直後に虫が体内に残していった成分を吸いだすことで、症状を軽減します。刺されたらすぐに使わねばならず素早い対応が必要になります。事前に使い方を確認しておきましょう。
虫刺されの薬
刺された虫によって効く薬は変わってきますが、普段使い慣れているものを一つ携帯していきましょう。事前にキャンプ場に出る虫を調べておいて、効果がありそうなものを追加で持っていくのもいいですね。
状態がひどいときやお子さんなどは、たかが虫刺されとあなどらずお医者さんへ行きましょう。
これだけ防虫対策をすれば、ずいぶん快適にキャンプを楽しむことができるのではないでしょうか?アウトドアは虫との共存が当たり前、とはいえ、後々まで不快な気分が残らないよう、しっかり対策していってくださいね!
2人の男子の母。キャンプでは調理担当です。設営と火起こしは主人の担当なのでよくわかりません(!)好物は焚き火とビールとお風呂。日帰り温泉が近いかどうかでキャンプ場を選ぶタイプです。神奈川・山梨によく出没します。今は子連れのどたばたキャンプですが、子どもが大きくなったら夫婦でおしゃキャンしたいので情報収集に努めています。
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