燻製で使う木材には、スモークウッドとスモークチップがあります。今回は「これから燻製に挑戦したい!」という初心者さん向けに、燻製の基礎を押さえながら、この2つのアイテムの特徴をおさらいしていきましょう。
燻製とは「商品加工技法」
By: naka hide
燻製とは、木材などを燃やした煙を食品に当てて、風味を付けたり、煙に含まれる殺菌・防腐成分を食材に浸透させて保存性を高めたりするための食品加工技法です。
木材を完全燃焼させると煙があまり出ないため、あえて不完全燃焼を起こして煙を出します。煙には食材についた微生物を死滅させる成分が含まれているため、燻製は保存食を作る技術としてもよく使われます。
燻製のやり方と燻製時間
燻製の方法は、熱燻(ねっくん)・温燻(おんくん)・冷燻(れいくん)の3つがあります。それぞれ燻製時間・やり方などが異なります。
燻製の種類 | 煙の温度 | おおよその時間 | 熱源 | その他 |
---|---|---|---|---|
熱燻 | 80℃を超える | 10〜60分 | 必要 | 長期保存には不向き。 |
温燻 | 30℃~60℃ | 数時間から1日 | 不要 | 保存期間は3~5日程度。 |
冷燻 | 15℃~30℃ | 1~4週間ほど | 不要 | 上級者向き。長期保存可能。 |
(※熱源:常に火をかけて熱を与えること)
また、それぞれの燻製方法に相性の良い食材があります。たとえば、
・チーズ:熱燻だと溶けてしまうので、温燻がオススメ
・サーモン:熱燻だと中は半生、外をあぶった状態になって美味しい
など。いろいろな食材と燻製法の組み合わせを試して、自分の好みを探すと楽しいですよ。
スモークウッドとスモークチップの違い
燻製で煙を出すための木材には、スモークウッドとスモークチップの2種類があります。
スモークウッドは木の塊、スモークチップは木の破片のようなものです。燻製の方法で使い分けます。
スモークウッド | スモークチップ | 備考 | |
---|---|---|---|
熱燻 | △ | ○ | スモークウッドは、熱燻のように高火力を与え続ける場合、燃え上がってしまう場合がある |
温燻 | ○ | △ | スモークチップは、火力をうまく与え続けないと燃え尽きてしまう場合がある。また長時間煙を出す時は、継ぎ足し続ける必要がある。 |
冷燻 | ○ | - | 低温で長時間燻製をするため、燃焼時間が短いスモークチップは難しい。 |
簡単にまとめると、スモークウッドは温燻向き、スモークチップは熱燻向きです。燻製にしたい食品+好きな燻製法、このセットを考えてからウッドとチップのどちらが良いのか、上の表を参考に選んでください。
まとめ
キャンプで燻製を楽しむ場合、熱燻か温燻になると思います。冷燻は時間がかかるので、キャンプで実践するのはなかなか難しいです。どうしても冷燻で作った食品を楽しみたい場合は、事前に作って持っていきましょう。
またキャンプで燻製をする時、つきっきりで見ている時間はない場合が多いでしょう。そのため、一度火をつけたら放置できるスモークウッド+熱源を使用しない温燻の組み合わせがオススメです。
初心者さんは、まず簡単に燻製が作れるチーズやナッツ類からはじめてみるのがオススメです。キャンプに燻製を取り入れて、いつもと一味違うキャンプを楽しんでください!
自然をこよなく愛するアウトドアライター。テント泊が大好きで、テントを張れる場所であればどこでもテント泊します。わいわいキャンプも好きだけど、少人数のしっぽりキャンプも好き。培った経験をもとに、使っているギアや読者様のタメになる情報を発信していきます。