車ではなく、バスや電車でキャンプ場まで行ってキャンプを楽しむスタイルを「徒歩キャンプ」といいます。
このスタイル、普通のキャンプとは違った楽しさがあってファンが増えている一方、車のようにたくさんのギアを持っていけないので、ギア選びがとても大事になります。そこで今回、はじめて徒歩キャンプに挑戦する人を想定して、必要なおすすめギアをご紹介したいと思います!
徒歩キャンプに絶対必要なキャンプギア
徒歩キャンプは自分でバックパックを背負っていくので、ギアを持てば持つほど体への負担が大きくなります。そのため車で行くキャンプ以上に、ギア選びが大事です。
では、最低限どんなギアがあれば大丈夫なのでしょうか?
①ギアを持ち運ぶ「バックパック」
最も重要なキャンプギアがバックパックです。他のギアを持ち運ぶために欠かせません。
選ぶときは、徒歩キャンプの日数に応じて大きさを調整しましょう。1泊2日で大きなサイズを持っていくと逆に負担になってしまいます。
1泊2日におすすめ!Millet:サースフェー 30+5
ミレーの「サースフェー30+5」は、ハイキングから本格縦走まで幅広く対応しちえるバックパック。耐久性に優れたCORDURA®ナイロン素材を採用しているのが特徴です。
また背面はかいた汗の乾燥を促す作りになっており、背中が蒸れたり汗冷えを起こしたりしません。またバックパックが水分を吸って重くなる心配も不要。さらにショルダーとヒップには柔らかいクッション材を採用しており、長いあいだ背負っていても快適に使えます。
30Lで足りない場合は、プラス5Lぶん高さ調節をして使えるのもうれしいポイントですね。
3泊4日におすすめ!karrimor:クーガー55-75
こちらも長時間の縦走向けに開発されたバックパックです。大容量のギアを収納できるので、連泊の徒歩キャンプにもピッタリ! また重い荷物でもなるべく体に負担がかからないよう、体にぴったりフィットする作りになっています。
さらに、重心が上のほうにきて、バックパックの重さが腰に乗ります。つまり腰でしっかり支えられるので、安定して歩けます。この使いやすさもうれしいですね。
さらに、ベルトを引っ張るだけで重心の位置を調節できるシステムのおかげで、背面へのフィッティングを簡単にコントロールできます。急坂を登る時はバックパックの重心を高くして体への負担を減らすといった調整が、リュックを背負ったままできますよ。
②就寝に必要な「テント」
就寝や休憩のときに必要なのがテントです。忘れてしまうとベンチに野宿……なんてことになりかねないので、忘れずに用意していきましょう。
またテントはポールを忘れやすいので、“テント・ポール・ペグ”の3つセットで保管しておくと、忘れずに済みますよ。
とにかく軽いオススメの山岳テント!PUROMONTE:LWアルパインテント 26T
徒歩キャンプにピッタリのテントがこちら。最大の特徴は、総重量1.59kgと2kgを切る軽さ。少しでも荷物を軽くしたい徒歩キャンプにうってつけです。
また、どんな季節でも使える万能性も魅力。オプションの外張を使えば雪中キャンプもできるなど、このテントひとつでどんなキャンプでも対応可能です!
ただ、熟練の職人が生産から検品まで行うなど品質管理を徹底しているため、他のブランドのテントと比べて少し値段が高いです。
③体の保温に必要な「シュラフ」
寝るときの布団がわりに使うのがシュラフ(寝袋)です。熱帯夜など気温が高い日を除き、ほとんどのキャンプで必要になります。
キャンプ場は自然の中にあることが多いため、朝と夜の気温差が大きいことも珍しくありません。そのためシュラフがないと、夏なのに「寒くて眠れない……」なんてことにもなりかねません。
徒歩キャンプでは、とても軽いダウンシュラフがおすすめです。
機能性に優れたダウンシュラフ! ISUKA:エア 280X
平均重量が570gととても軽いのに、ふんわりと身体を包み込み、保温してくれるダウンシュラフ。寒さの厳しい冬キャンプには不向きですが、春から秋のキャンプで使うにはスペックと使いやすさでベストの一品です。
シュラフは窮屈なサイズだと体の自由がきかないので、起きたときに疲れが残っていたり、節々が痛かったりということも。しかし、この「エア 280X」は狭すぎず広すぎず丁度いいサイズ感で、快適に眠れます。
足元には多めのダウンが充填されていて保温性が上がっているので、冷え性に悩める方にもおすすめです。ただ足先は少し細くなっているので、人によっては少し窮屈に感じるかもしれません。
④夜道を照らしてくれる「ヘッドライト」
ヘッドライトも欠かせません。夜の作業で手元を明るく照らしてくれるのはもちろん、夜道を歩く時にも活躍します。
安定の高性能ヘッドライト! Black Diamond:スポット
高照度300ルーメンと最高水準の防水性能IPX8を搭載しているヘッドライトです。
防水機能を搭載していないヘッドライトだと、キャンプ中の雨で水没してしまう恐れもありますが、このスポットは水深1メートルにも耐え得る防水性を搭載。また単4アルカリ電池(3本)で使えるので、電池交換が簡単な点も魅力です。
徒歩キャンプに余裕ができたら
ここからは徒歩キャンプに慣れてきた方へ向けて、余裕がある場合は持って行くと便利なギアをご紹介します。
⑤キャンプ料理が楽しめる「調理ギア」
「自分でキャンプ料理を作りたい!」そんなキャンパーは、調理ギアを用意しましょう。「ストーブ・コッヘル・箸」の3点セットがあれば大丈夫です。
おすすめ!イワタニプリムス:ウルトラ・スパイダーストーブⅡ
こちらは分離型ストーブ(燃料のガス缶とストーブが別々になっているタイプ)なので、安定性に優れているのが特徴です。
ガス缶に直接つなぐ一体型だと、缶の上にストーブを乗せなければならないため、どうしても安定感に欠けます。一方、分離型はストーブとガス缶をホースでつなぐため、ゴトクは低く安定感が出ます。さらにストーブの形状がエックス字状になっていて、風の影響を受けにくいデザインなのもポイント。
また4本のゴトクには延長ゴトクがあり、コッヘルやフライパンなど上に乗せる大きさに合わせてゴトクを調整できます。
ただし、一体型より持ち運びにやや難があり、また燃費も少し悪いです。
コッヘルはコレ!イワタニプリムス:イージークックNS(ノンスティック)・ソロセットM
こちらは、ガス缶とストーブをコッヘル内に収納できるタイプです。
ソロセットMには、ポット(900ml、内径Φ12.5×10cm)とミニポット(400ml、内径Φ12.0×5cm)がセットになっています。メッシュの収納袋が付属しているので、収納もラクチン。
ポットの底面は滑り止め加工がされているので、ストーブに乗せたとき滑らずに安定します。また内側はノンスティック加工のおかげで、食材がこびりつくことがありません。
⑥座ってゆっくり過ごせる「イス」
イスがなくてもキャンプはできますが、あるとゆったり休める場所ができるのでおすすめです。
少し値段は高くなりますが、500mlのペットボトルと同じくらい軽いイスもあります。そういったギアを持っていくと良いでしょう。
軽量コンパクトなイスなら!ヘリノックス:チェアゼロ
軽いイスでおなじみのヘリノックスですが、その中でもダントツに軽いのがこちら。総重量がペットボトル1本分にも満たない約510g。イスとは思えないくらい軽量化されているんです。
ですが、作りはしっかりしており、耐荷重は120kg。比較的大柄な男性でも安心して座れます。ポリエステル素材のため、汚れても拭いて綺麗にできる利便性も◎。携帯性にも優れており、まさに徒歩キャンプのためのチェアといえます。
⑦キャンプの醍醐味「焚き火」
キャンプの醍醐味というと「焚き火!」そう答える人も少なくないでしょう。そこで徒歩キャンプでも持っていける、小さくてコンパクトな焚き火台をご紹介します。
コンパクトで耐久性のある焚き火台! FIREBOX:G2
徒歩キャンプはもちろんソロキャンプなどにもおすすめなのが、ファイヤーボックスのG2。その大きさは、なんとA4用紙の半分ほどの厚さは1cm以下。ちょうつがい式なので、組み立てもとても簡単ですよ!
G2は焚き火台の下から燃料となる薪を追加できるので、火力が小さいと感じたらすぐ入れられます。また付属のバーやプレートを使えば、いろいろとアレンジが可能。トランギアなどのアルコールバーナーや固形燃料とも相性がいいので、ゴトク代わりとしても使えること、ダッチオーブンを乗せられるくらい頑丈なこともポイントです。
おわりに
なるべく荷物を少なくしたいですが、でも減らしすぎてせっかくのキャンプが楽しくなくなってしまっては本末転倒。そのバランスを取るのが徒歩キャンプの難しさです。
もちろんここで紹介したギアは一例です。皆さんのキャンプスタイルに合わせて、いろいろアレンジしてみてくださいね!
自然をこよなく愛するアウトドアライター。テント泊が大好きで、テントを張れる場所であればどこでもテント泊します。わいわいキャンプも好きだけど、少人数のしっぽりキャンプも好き。培った経験をもとに、使っているギアや読者様のタメになる情報を発信していきます。
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