昔からデザインや機能が変わらず、長いこと愛されているアイテムがいくつかあります。武井バーナーの「パープルストーブ」もその一つで、キャンパーの間では“武井さん”と呼ばれているとか。今回は、そんな武井バーナーのパープルストーブの魅力に迫りたいと思います。
黄金に輝く真鍮のボディ
武井バーナー・パープルストーブの魅力は、なんと行っても黄金に輝く無骨な真鍮ボディではないでしょうか。使っていくうちに汚れがつくものの、磨けば再び輝きを取り戻すのがより一層愛着を持たせます。
こちらのパープルストーブですが、全てのパーツが日本の町工場で作られています。ですから、品質の良さは折り紙つき!そして、機構自体複雑な作りではありませんので、大切に使えば30年でも40年でも長いこと使えることでしょう。
燃料は灯油なので、ランニングコストが安い
パープルストーブの燃料は灯油です。通常キャンプ用のバーナーやランタンは、ガスやホワイトガソリンが主流だと思います。ですが、ガスボンベは1缶で900円前後しますし、ホワイトガソリンでも1リットルで1,000円はするでしょう。しかし、灯油であれば1リットルで50円前後と他の燃料と比べて1/20ですみます。しかも、ガスやガソリンと比べて、比較的灯油は安全な燃料ですので取り扱いしやすいのも嬉しいですね。
小さな体から想像もできないくらい暖かい
パープルストーブの大きさは一番大きな501セットでも40cmに満たない大きさです。一般的なランタンと同じ大きさと言えば分かりやすいかもしれません。そんな小さなボディにもかかわらず、圧倒的な高熱量を発します。同じような野外ヒーターとして「フジカハイペット」が有名ですが、人の感覚によりますが、だいたい同じくらいの高熱量を発揮します。
また、五徳を用意すればバーナーとしても使えて、夏場ですと1リットルの水を2分で沸騰させることができますよ。
「炎上」に注意しましょう
そんなパープルストーブですが、スイッチを押してポンとヒーターがつくというわけではありません。まずはじめに燃料タンクの内圧をあげるポンピングという作業が必要です。そして、灯油を気化させた所に火をつけて、ストーブ内部を十分に余熱します。それで調整ハンドルを開けてメインバーナーにようやく点火するという段取りになります。ですから、点火するまでに5分くらいはかかるでしょう。
そう行った作業の中で不備があると、パープルストーブから赤い火の手が上がる炎上が起こります。炎上が起こるとまた最初のポンピングからやり直しですので、実際に使う本番前に十分に練習すると良いでしょう。
パープルストーブは3種類
パープルストーブはタンクの容量によって3種類に分けられます。
1番小さいのが101Cです。タンク容量が0.5リットルで燃焼時間は2時間です。重量も800gですから冬山登山には重宝します。ファミリーキャンプには物足りないかもしれません。
次に大きいのが301Aです。タンク容量も1.2リットルと多くなり、5時間燃焼し続けるのでキャンプ用として十分に使えます。高さも330mmですので、ちょうどいいサイズではないでしょうか。
一番大きいのが501Aです。タンク容量は2.8リットルで10時間連続使用可能です。そして501Aには圧力計がついていますので、ポンピングによる加圧のしすぎを察知することができます。
ちなみに3種類とも発する熱量は同じですので、タンク容量で選ぶと良いでしょう。
価格は3万円を超えるので、購入するのに勇気のいる金額ですが、長い目で見れば決して高いものではありません。アウトドアを長く続けたいという方には是非使っていただきたい逸品と言えるでしょう。
毎月1度はキャンプに出掛ける2児のパパ。子供を連れて行き自然に触れる教育を実践しようと試みるも、結局一番はしゃいでるのは自分という本末転倒を繰り返しています。座右の銘は“一流の遊びが出来なければ、一流の仕事はできない”。