雪中キャンプをやりたい! そう思っても「運転が怖い!」「スタッドレスタイヤは必要?」と不安な人も多いのでは?
この記事では、雪道運転や車の装備など、雪中キャンプに行くときに気を付けることをご紹介します。これで雪道運転の安全運転のコツを身につければ、雪中キャンプも安心です!
雪道運転のコツとは?
雪道を運転したことがない人や運転が苦手な人は、極力運転することから遠ざかっていませんか?「いつもは友人が運転してくれるから大丈夫!」そう思っていても、もし友人がキャンプ中にケガをして運転できなくなってしまったら、自分が運転しなければいけないかもしれません。
そこで、雪道を運転するときのコツや気を付けることをご紹介します。
コツ① 車間距離を十分にあける
通常運転のときも、前の車と車間距離を開けて走ると思いますが、車間距離をいつも以上に十分あけましょう。その理由は、万が一ブレーキが利かなかったときのためです。
雪道といっても、いろいろな路面タイプがあります。
・ツルツルした路面(アイスバーン・氷結路面)
・シャバシャバした路面
・雪が圧雪された路面
そのときの気温や気候によって路面状況は変わるのです。「雪道=雪が積雪している」ではありません。
中でも一番やっかいな路面が「ツルツルした路面(氷結路面)」です。この路面のときは、ゆっくりブレーキを踏んで慎重に運転しても、止まらないときは止まりません。なので、止まらなくても前の車に衝突しないように車間距離をあけましょう。
コツ② ブレーキはゆっくり踏む
雪道では、車は夏の道と同じようには止まりません。時速40kmで走行中に急ブレーキをかけたとしましょう。この場合、夏道だと急ブレーキをかけてから停止するまでが20mですが、冬道(圧雪)の場合は17.3m、氷結路面の場合は78.5mと大きく異なります(夏道:ノーマルタイヤ、冬道:スタッドレスタイヤ)
ちなみに、冬道をノーマルタイヤで時速40kmで走行した場合は、圧雪路面で29.9m、氷結路面で105.4.mとなります。
冬道の運転をするときは急ブレーキはなるべく避けるようにし、ブレーキを踏むときはゆっくり踏むようにしましょう。雪道の急ブレーキはもってのほかです(※緊急時は除く)
たとえば、「ゆっくりブレーキを踏んだのに、止まらない!」というときは、さらにブレーキを強く踏むのではなく、一度離してもう一度ゆっくりブレーキを踏むようにすると良いですよ!
※氷結路面の場合、本当に止まらないときがあります。その状態で交差点などに侵入してしまう場合は、クラクションを鳴らしたり、パッシングしたりして周りの車へ合図をしましょう。
コツ③ スピードは出さない!
夏道でも同じですが、雪道でも無理なスピードは出さないようにしましょう。制限速度で走るのが基本です。それでも運転していて怖い!と感じる場合は、無理に制限速度近くまでスピードを出さないようにしましょう!
私は住んでいる地域がよく氷結路面になりますので、氷結路面を日常的に運転しますが、制限速度が60kmのところでも、運転して怖かったら時速30kmくらいで走ります。それでもブレーキをして止まらないことはありますよ。無理のない運転をすることが、雪道運転のコツです。
雪道運転をあまりしない人は、目的地までの移動時間を倍くらいに予想して出発しましょう。キャンプ場のチェックイン時間を考えて早めに出発するなど、時間を管理すると良いです。
コツ④ エンジンブレーキを使う
エンジンブレーキを使ったことがない人もいるでしょう。しかし、特に冬道の下り坂では、エンジンブレーキと通常のブレーキを併用すると良いです。
エンジンブレーキといっても、車によって利き方が異なります。所有車のエンジンブレーキの利き方を知るために、夏道でもエンジンブレーキを使うようにするといいですよ。
ただし速度を出し過ぎていると、エンジンブレーキをかけた瞬間にスピンしてしまう可能性がありますので、速い速度でのエンジンブレーキの使用は控えた方が良いです。私が気を付けていることとして、冬道はスピードを出さずに、ゆっくりフットブレーキをかけながらエンジンブレーキを併用することです。
コツ⑤ 吹雪のときはロービームにする
ひどい吹雪で前が見えにくい時、フッドライトをハイビームにすると、逆に見えにくくなるのでやめましょう。吹雪いていないときに山の中を走るときはハイビームの方が見えやすいですが、吹雪いているときは雪で光が乱反射し、余計見えにくくなります。
吹雪のときはハイビームではなく、ロービームにしましょう。
雪道運転で気を付けること
「雪道運転はどんなことに気を付けたらいいの?」と不安になるでしょう。
そこでここでは、雪道運転の際に気を付けることをご紹介します。
車に積もった雪は除雪する
よく見かけるのですが、車の上に雪がどっさり積雪している状態で運転していると、非常に危険です。ブレーキをかけたときに、車の上の雪が全部フロントガラスに落ちてきてしまう可能性があるからです。
「ワイパーをすれば問題ないでしょ!」と思う人もいるかもしれません。ですが、これは間違い。水分を含んだ雪はとても重く、ワイパーが動かなくなりますよ(ワイパーの故障にも繋がります)。そのせいで目の前を雪にふさがれてしまい、何も見えない状態になります。
もちろんそのまま運転する人はいないと思いますが、車が立ち往生してしまい周りの車にも迷惑がかかってしまいます。こうならないために、出発するときは車の上の雪をしっかりと除雪しましょう。
気温の変化に気を付ける
運転する上で気温の変化にも十分注意した方が良いです。地域によって変わりますが、たとえば日中5℃くらいだったのに、夜にかけてマイナス気温になるという地域は特に注意しましょう。日中は路面が乾いたり濡れたりしているだけでも、夜にかけて気温が低くなるとブラックアイスバーンに変化するからです。
ブラックアイスバーンは、見た目はただ濡れている道路のように見えますが、実際はツルツルの氷結路面なのです。「凍っていないから」といってスピードを出し、ブレーキをかけた瞬間にスピンしてしまう・・・。そんなことにならないように、気温の変化や路面状況などはしっかりチェックしましょう。
吹雪のときはライトをつける
冬の気候はとても変わりやすく、いきなり吹雪になることもあります。そういうときは、かならずライトをつけるようにしましょう。これは「ここにいるよ!」という他のドライバーへの目印になりますよ。
猛吹雪のときなどは、2~3m先さえ見えにくいときがあります。こういうときにライトをつけていないと、「後ろを走っている車が気付かないうちに車間距離ギリギリのところまで来ていた」ということがあります。ライトをつけることで、自分が居る位置を対向車や前後の車に知らせることができます。ライトを頼りに車間距離をとっているドライバーも少なくありませんので、吹雪のときはライトをつけましょう。
わだちや路肩に気を付ける
「わだち」とは、積雪したあと同じ位置を車が通ることでできる跡のことをいいます。軽いわだちから重いわだちまで、雪の質によって大分変ってきます。軽いわだちであれば、あまりハンドルがとられることはないですが、重い・固いわだちの場合は、ハンドルがかなりとられます。
そのため、わだちを走行するときは、なるべくわだちに沿って走ると良いですよ。
また積雪したときは、路肩にも注意しなければいけません。ガードレールや側溝が隠れているからです。雪が積もっているからと安心して運転していたら、「ドンッ」と側溝にハマってしまうことも考えられます。雪道の運転は、路肩にも注意して運転しましょう。
やってはいけない運転の仕方
先ほどご紹介したコツと逆のことになりますが、車間距離を詰める、急ブレーキを踏む、スピードを出すということは控えましょう。
●車間距離を詰める
雪道ではブレーキ踏んでから止まるまでに、かなりの距離を進んでしまいます。そのため、車間距離を十分とっていないと、前の車に衝突してしまう危険性が高くなります。
●急ブレーキを踏む
急ブレーキをしてしまうと、タイヤがスピンして止まらなくなる可能性があります。
●スピードを出す
夏道はもちろん冬道でもスピードの出し過ぎは事故の原因になります。
その他にも気を付けることがあります。
ノーマルタイヤは絶対にダメ!
雪道を運転するのであれば、ノーマルタイヤは控えましょう。
雪中キャンプに行くということは、それなりに雪が積もっている地域に行くことになりますよね。雪が積雪している地域へノーマルタイヤで行くのは完全NGです。「コツ② ブレーキがゆっくり踏む」でもご紹介しましたが、ノーマルタイヤでブレーキをかけたときの停止距離は、スタッドレスタイヤの1.7倍にもなります。
雪道を運転するのであれば、スタッドレスタイヤは必需品と考えましょう。
雪道運転から帰ってきたら洗車しよう
雪道から帰ってきたら、必ず洗車するようにしましょう。その理由は、雪道には融雪剤や凍結防止剤が散布しているからです。
融雪剤や凍結防止剤は、散布されている道路を走行すると車の足回りに付着します。この状態のままほおっておくと、サビやシミの原因になります。
私が運転する地域は、よく融雪剤が散布されているのですが、こまめに足回りの洗車をしないとサビやすくなるのはもちろん、すでにあるサビは速いスピードで悪化していきます。なので、雪道を走ったあとは足回りを必ず洗車をすること、また毎日雪道を走るのであれば、こまめに洗車してあげることが必要ですよ。
おわりに
雪中キャンプへ行くときの雪道運転のコツや気を付けることなどご紹介しました。雪道運転は車間距離を十分にあけて、スピードを出さずにゆっくりブレーキを踏む、エンジンブレーキを併用する、吹雪いているときはロービームにすることコツです。
他にも気を付けることとしては、車の上をしっかり除雪する、気温や気候の変化に注意する、吹雪のときはライトをつける、わだちや路肩に注意するなど。雪道運転はとても怖く感じますが、ゆっくり気を付けて、ご自身の無理のないペースで運転しましょうね。
自然をこよなく愛するアウトドアライター。テント泊が大好きで、テントを張れる場所であればどこでもテント泊します。わいわいキャンプも好きだけど、少人数のしっぽりキャンプも好き。培った経験をもとに、使っているギアや読者様のタメになる情報を発信していきます。
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