蚕の餌としてよく知られている桑の木。養蚕が盛んだった昔には日本中に桑畑がありましたが、生糸産業の衰退とともに現在ではほとんど見られなくなってきました。
しかし、桑の木は日本では古来より山に自生しており、今でも山に入るとよく見かけることができます。今回は見つけ方と採取方法を紹介します!
桑の実の見つけ方と採取方法
桑の木は山地ややぶの中などに自生しており、大きいものだと10mを超すものもあります。桑の木は成長が早く、また種子から簡単に芽を出すため、大きな桑の木の周りには小さな桑の木が生えていることが多いです。
桑の葉は小さい若い木では深い切れ込みが入り、大きな木では楕円形に近いハート型になります。山を歩いていると写真のような深い切れ込みのある特徴的な葉のついた小さな若い木を見つけることができます。
このような切れ込みが深く入った若い木を見つけたら近くを探してみてください。見上げるほど大きな桑の木が近くにあることが多いです。
こちらが大きく成長した桑の木の葉。見た目には全く違う葉のようですが、同じ桑の葉です。※同じ種類でも形や大きさが異なるものは「異形葉」といい、桑もその一種です。
初夏には赤い実をつけ、熟すと黒紫色になります。まだ赤いうちはとても酸っぱいので真っ黒に熟したものを採取すします。
熟した実はとてもやわらかいのでつぶさないように気を付けながら採取してください。
桑の実のレシピ
桑の実はそのまま食べても甘酸っぱくておいしいです。個人的には生のブルーベリーよりも酸味が少なくおいしいと思います。
でも、ただおいしいだけじゃなく、うれしい効能をたくさん持つ桑の実ですから、そのパワーを最大限に引き出すんだったらやっぱり桑の実酒です。
用意するもの
桑の実 | 収穫した分 |
---|---|
お酒 | ホワイトリカーやウォッカなど お好みで |
氷砂糖 | 桑の実と同量(お好みで増減してください) |
キッチンペーパー | なければティッシュでも可 |
1.採取した桑の実はアリなどの虫がついていることがありますので水洗いします。
この時に実をつぶさないように注意してください。水を張ったボールの中に実を入れて、やさしく振り洗いするといいでしょう。
2.洗ったらキッチンペーパーの上にきれいに並べ、水気を取ります。ここでもつぶしてしまわないように注意してください。
3.空のボトル(ウイスキーや焼酎などの空き瓶があればそれで)に桑の実、氷砂糖を入れホワイトリカーを注ぎます。氷砂糖の量はお好みで増減してください。
4.そのまま数週間から数ヶ月したらできあがり。もともと生でも食べられる桑の実ですから、色が出てくればOKですが、個人的には3ヶ月くらいのものが飲み頃かなと思います。
5.ロックでもソーダ割りでも、お好みで。ほのかなベリー系の香りがしますよ。
漬け込むのには日数がかかってしまうので、すぐその日に飲みたい方はグラスに桑の実を入れ、そこに好みのお酒を入れてつぶしながら飲むというのも有りかもしれませんね。
最後に…
桑の実は英語ではマルベリー、日本語では別名「どどめ」と呼ばれ、「どどめ色」の語源となりました。
どどめ色はもともとは桑の実のような深みのある濃い紫色をさしていたのですが、打撲の赤黒いあざや青ざめた唇の色に使われるようになり、いつしかネガティブなイメージで使われるようになってきましたが、もともとは高貴な色を指していたようです。
他にも、雷が落ちないように呪文のように唱える「くわばらくわばら」という言葉がありますが、これは漢字で書くと「桑原」って知ってましたか?これは雷様が桑の木が嫌いで「桑原、桑原」と唱えれば雷が落ちない、という言い伝えによるそうです。
古来から雷神も恐れる桑の木には不思議な霊力が宿っていると考えられていたというのです。
桑は実だけではなく、葉や皮なども漢方として古くから用いられてきました。とにかく効果・効能がいっぱいの桑の実、山に入った際にはぜひ探してみてくださいね。
モットーは「人生は毎日がキャンプ!」。だいたい年間の半分以上は海外や日本国内を旅しています。山に行けば山菜や渓流の魚を料理し、海へ行けば岩場の貝や釣れた魚を堪能しています。国内では車中泊が多いですが、海外では列車での国境越えや、駅で段ボールを敷いて野宿することも。基本的には無計画で行き当たりばったりの旅。山菜はいろいろと食べてみた中で、美味しかったものを中心にご紹介します!
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