トレイルランニングシューズの選び方について解説!

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国内のトレイルランレースも少しずつ始まってきたようですね! となると気になるのは、レースによってどのシューズを選べばいいのかということ。

そこで本日は、トレイルランニングシューズの選び方についてお伝えします。

「初心者におすすめのシューズを知りたい」「路面やコースに応じてどうやってシューズを使い分けたらいいのか知りたい」

そんな方は、ぜひご覧ください!

初心者向けトレイルランニングシューズの選び方

トレイルランニングシューズは、ランニングシューズより種類や構造の違いが多く、特に初心者は何を基準に選んだらいいのか分からないかと思います。

選ぶ際は、まずどんなレースに出場するかを決めるのが大事です。

もちろんどんなコースにも対応できるオールラウンドなシューズもありますが、コースや路面の傾向に合わせてシューズを選ぶ方がレース中も快適です。

トレイルランニングシューズの構造について

レースに合わせた選び方の前に、シューズの特徴について簡単に押さえておきましょう。

トレイルランニングシューズの構造には、以下のような特徴があります。

アッパーが頑丈
・剛性があるぶん重い
アウトソールが頑丈
・内蔵されているプレートの目的が異なる

アッパーの耐久性について

アッパー素材は、ロードランニング用のシューズより強度が高いです。

以下は、ロードで使用するランニングシューズの写真です。

ランニングシューズ

ロードやトラックでの使用を想定しているため、耐久性より軽さに重点を置いた素材が使われています(メッシュ素材など)

そのためトレイルで使用すると、素材が伸びて破れてしまう恐れがあります。ロードシューズで走れる不整地は、クロスカントリーまでと思っておきましょう。

一方、以下はトレイルランニングシューズの写真です。

トレイルランニングシューズ

上のシューズは厚底タイプで、体重の何倍もの負荷がかかってもアッパー素材が破れない設計になっています。剛性に優れ、そう簡単には破れません(何度もレースに出場していると破れることはあります)

プレートの耐久性について

トレイルシューズのソールに使われているプレートは、ロードシューズのものとは目的が異なります。

ロードランニングシューズでは主に、シューズの反発を目的として硬めの素材が埋め込まれてきました。たとえば、アシックスの「ターサージャパン」や「ソーティーマジック」といったランニングシューズがそれにあたります。

これらは同じアシックスのランニングシューズである「スカイセンサージャパン」などと比較して、プレートが入っているぶん着地時に反発を得られます。

このように、ロードランニングシューズのプレートは、反発力やシューズの形状を変えないために使われます。

一方、トレイルランニングシューズのプレートは、路面から足底部を守ることを目的としています(石や木の根を踏んだりしたとき傷つかないように)

トレイルランニングシューズ

トレイルシューズの厚底と薄底の違い

トレイル用のシューズにも、厚底と薄底が存在します。ですが、ロード用シューズのそれとは特徴が違います。

トレイルシューズの厚底と薄底の大きな違いは、衝撃をクッションと足の指のどちらで吸収するかです。

厚底シューズの特徴

レイルランニングシューズ

厚底シューズは、石の突き上げや木の根っこから足底部を守ってくれますが、地面から足の裏までの高さが出てしまうため着地が不安定になり、足首と膝にかかる負荷が大きくなります。

私が厚底にチャレンジしてみた経験でいくと、確かに衝撃は吸収してくれるし、足の疲れもカバーしてくれます。ですが、何度か捻挫してしまい、着地時に膝が左右に振れて少し痛みも感じました。

トレイルを走っていると、捻挫に近い形で着地してから何とか持ち直す、という経験がある方は多いと思います。厚底シューズを履くと、その頻度が増えると思うので、足をひねる形で着地しても足首をぐっと元に戻せる脚力がないと、使いこなすのは難しいと思います。

薄底シューズの特徴

レイルランニングシューズ

ちょっとしたプレートが入った程度の薄いトレイルランニングシューズは、足の指が自由に使えるモデルが多いです。アッパーは軽量素材ですが、剛性もしっかりあります。写真はサロモンのS/LAB SENSE 7というシューズですが、トラックのペース走でも十分使えるくらいロードシューズに近い構造です。

また、地面から足の裏までの高さがほとんどないので、安定感は抜群! テクニカルなトレイルでも足首や膝への負担が少ないです。

ただ、厚底シューズと違い、地面の感覚がダイレクトに足底部へ伝わるので、ロードを含む長い距離を走ると疲労がたまってきます。

テクニカルなコースと平坦なコースでは着地時の衝撃吸収方法が異なる

ここで着地時の衝撃吸収方法について、簡単にふれておきます。

テクニカルなトレイルでは、人間の体は膝から下の動き、具体的には以下の部位で衝撃を吸収します。

股関節
膝関節
足首
足の指の動き

トレイルを走る時は、ロード以上にこれらの部位をよく使います。よって、それが妨げられないシューズを選ぶのが理想です。

特にオススメなのは、足首と足の指の動きを制限しないシューズです。足の指が自由に動かせると、足首や足首より上の関節の可動域も大きくなるからです。足の指をしっかり使えるか否かは、その他の部位の動きに関係してくるので非常に重要です。

最近は厚底シューズでも足の指を動かしやすいシューズがあります。

オールラウンドシューズ

トレイルランニングシューズ

どんな地形にもオールラウンドに使用できるシューズもあります。特徴としてアウトソールが硬く、アッパーも丈夫ですが、薄底シューズより重量があります。突き上げもしっかり防止してくれます。

シューズごとに対応する路面の違い

次にトレイルランニングシューズと相性の良いコースの特徴について解説します。

厚底シューズ

特に長距離トレイルの林道で、その威力を発揮してくれます。一方、どうしても着地が不安定になるので、テクニカルなコースにはオススメできません。

薄底シューズ

テクニカルなコースや富士登山競争などのバーティカル要素の強いコースに向いていると言えます。またロード率の高いレースにもオススメです。

一方、アウトソールが薄いので距離の長いコースにはオススメできません(私の場合、70km以上のレースは薄底では走りません)

オールラウンドシューズ

長距離のレースで、テクニカルな路面がいくつかある場合は、このタイプがオススメです。また、アルプスのファストパッキングなどでも活躍してくれます。

なぜロードシューズはトレイルランで使えないのか?

トレイルランにロードシューズを併用しようと考えている人もいるかもしれませんが、これはオススメできません。トレイルランニング時にかかるシューズの負担に、ロード用のランニングシューズの構造では耐えられないからです。

ロードシューズの構造について

ロードシューズは、タイムを縮めるために軽さを追求しているため、トレイル用のシューズと比べて頑丈ではありません。一方、トレイルランニングシューズは、激しいアップダウンや急な下りでもシューズがよじれない頑丈さを備えています。

ロードシューズで走れるトレイルは、どんなコース?

ただ、以下の2つのコースなら、ロードシューズでも走れます。

クロスカントリー程度のアップダウンコース
バーティカル系のコース

具体例を挙げると、緑地公園で行われるクロスカントリーや富士登山競走といったレースです。ただ、あまりにも路面が荒れているバーティカル系のレースだと、厳しいかもしれません。

ただ、トラックを走る薄底のシューズや、厚底シューズだと、不整地で足をひねる可能性もあるのでオススメできません。

私の履いた感じだと、ターサージャパンやターサージールなら対応可能だと感じます。

ターサー

クロスカントリーの練習やレースは、全てロードランニングシューズで走っています。トレイルランニングシューズで走ったこともありますが、スピードを出そうとすると逆に疲れてしまいます。

ちなみに、富士吉田市役所から富士山頂まで走る富士登山競走では、サロモンの限りなくロードシューズに近いシューズであるSLAB SENSE 7を履きました(ロード区間と本格的な登山の両方を走るコースだったため)

アップダウンのあるコースでロードシューズを使いたい時の対処法

体の中心部で衝撃を受け止められるなら、ロードシューズも使えます。ただし、これには相当なトレーニングが必要です。

日々鍛えている選手なら、トレイルの急な下りでも、体幹に近い大きな筋肉を支点に着地できます。この着地だと胃に負担がかからず、脚への衝撃も少なくなります。

シューズへの負荷についても、これと同じことが言えます。そのため、この走り方を身につければ、ロードシューズでもアップダウンのあるコースに対応できます。

日本のトップ選手(相馬剛選手)の凄さ

ここでロードシューズにまつわる話を一つ、紹介したいと思います。

昔、御嶽スカイレースというレースに出場しました。これは王滝村から御嶽山頂まで登り、おはち巡りをしてから王滝村まで往復するレースです(噴火の影響で今はなくなってしまいました)

このレースは山頂まで行ってフィニッシュではなく、スタート地点まで下ってこなくてはなりませんでした。

そこで私は、トレイルランニングシューズで出場しましたが(自分の脚力に自信がなかったので)、山頂後のおはち巡りで日本のトップ選手である相馬剛選手と並走する形になりました。

そのとき相馬選手がロードシューズで走っていたのを見て、とても驚きました。

御嶽のおはち巡りまでは並走していましたが、下りで走力の差が出て見る見る離されてしまいました。

ロードシューズで御嶽のガレた山道を、相馬選手がとんでもないペースで下れる理由がいまだに理解できませんが、おそらく体幹がしっかりしていて、シューズへの負荷が少ない走りだったのでしょう。

相馬選手ほど早く下れるようになるのは難しいでしょうが、体が出来てくればトレイルをロードシューズで走る選択肢も出てきます。

まとめ

ロードシューズ以上に長い距離と時間を共にするトレイルランでは、シューズ選択は非常に重要です。アウトドアショップに行くと貸出イベントなどもやっているので、見切り発車でシューズを購入して失敗する前に、ぜひ試着してトレイルを走ってみましょう!

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