トレイルランの競技力と山の知識取得にはファストパッキングがおすすめ!

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ファストパッキングと言えば、登山の中でも上級者が行うアクティビティという印象がありますが、しっかりポイントを掴めば初心者でも楽しめます。ファストパッキングからトレイルランに移行すれば、トレイルランがかなり楽に感じるでしょう。

ファストパッキングとは

ファストパッキングは、必要最低限の軽量装備で山を楽しむスタイルの登山です。

軽量装備で山に入るので、通常の登山をしてきた方は、何ともいえない解放感を楽しめます。ただ、十分な山の知識と入念な準備が必要になります。

個人的には、トレイルランにチャレンジされる方は、まずファストパッキングから始めるのが良いと思います。山で必要な基礎知識と自分の体の限界を把握できるからです。

ファストパッキングの魅力

ファストパッキングの魅力としては、以下が挙げられます。

・普通の登山ではいけない場所まで短時間で行ける
・山での戦闘力が上がる
・アウトドアギアの知識が増える
・力量の限界が分かる
・一歩踏み込んだアウトドアギアの使い方が出来るようになる

普通の登山ではいけない場所まで短時間で行ける

たとえば、新穂高からアルプスを縦走する場合、1泊2日だと、それほど遠くまで行けません。しかし荷物の軽いファストパッキングなら、黒部五郎岳や薬師岳などまで行けるんです!

山での戦闘力が上がる

ファストパッキングにはさまざまなリスクが潜んでいます。そのため事前にしっかり調べる必要があります。

たとえば、私がファストパッキングの時に調べることは以下です。

・山域のコースタイムと累積標高
・当日の天候や気温
・山小屋はやっているか、補給できそうな場所はあるか
・体調不良時のエスケープルートと、エスケープ後の公共交通機関の状況
・目的地までの到着予定時間

ファストパッキングを始めるまでは、山に行く前に地図を見るなど、ほとんどありませんでした。

しかし始めてからは、山と高原地図に書かれたコースタイムから、自分はどのくらいの時間で縦走するのかを計算する必要があるので、地図を見る機会が増えました。

山と高原地図にはコースタイムも書かれていますが、なぜここの区間はこんなに短い距離なのにコースタイムが長いのだろうと考えたり、実際に足を運んでその地形を感じたりすることで、地図を見ただけでその険しさが読めてきたりもします。

また、天気予報の天気図と違って山の天気には独特の見方があるので、その知識も身につきます。中でも「山の知識検定」という検定の勉強をすると、山全体に必要な知識を身につけられるのでお勧めです。

また、エスケープルートを探しておくことも重要です。大峯奥駈道などのような、エスケープルートの少ない縦走路に入って、途中で体調が悪くなったりしたら事故に繋がります。

そういった場合は、体調が本格的に悪くなる前に引き返す必要があるので、エスケープルートはしっかり調べておきましょう。

アウトドアギアの知識が増える

ファストパッキングでは、アウトドアギアについて熟知する必要があります。具体的には、以下のような点です。

・レインジャケットの厚さ
・補給食の種類と量
・ハイドレーションの大きさ
・ザックの容量
・ベースレイヤーの種類
・ダウンの有無(ペースや天候から)

前述した天候やスケジュールなどをベースに、これらを考えていきます。その後、ヘッドライトなど必要最低限の装備を詰め込んで完成です(山小屋を使うかテント泊にするかで、装備は大きく異なります。よく考えて準備しましょう)

あとはGPSウォッチにルートを取り込んだり、途中で迷うことによる時間のロスをなくし、ファストパッキングに集中できる環境を整えます。

力量の限界が分かる

たとえば、自分が夜間に寝られる気温の限界が分かります。

私の話をしますと、以前、シェルターという簡易テントでアルプスに宿泊したことがあります。

夏場であってもアルプスの夜は寒いです。2時あたりに寒すぎて起きることがあります。このときはザックに足を突っ込み、シュラフカバーとレインジャケットをフル活用して暖をとって寝ました。

こうした工夫は、自分の力量が問われる部分です。言い換えれば、こうした経験を通して力量の限界を知ることができます。

一歩踏み込んだアウトドアギアの使い方が出来るようになる

私がファストパッキングを始めて良かったと感じた理由の一つが、GPSウォッチの活用方法を学べたことです。

ある時、山に詳しい友人がGPSウォッチの活用方法を教えてくれましたが、私は「自分には関係ないな」と思っていました。トレイルランやマラソンでは使わない機能だと感じたので。

でも、たとえばサイトからあらかじめ地図をウォッチにダウンロードしておけば、途中で立ち止まって地図を見る手間が省けます。

ウェアも同じです。以前の私は、レインジャケットは他のトレイルランナーが買う製品を機械的に購入していました。しかしファストパッキングを始めてからは、快適性と機能性を慎重に見極めながら選ぶようになりました。

トレイルランの練習にオススメの理由

ファストパッキングは、トレイルランの練習に非常にお勧めです。理由としては、以下が挙げられます。

・筋力がつく
・体力を上手に使えるようになる
・スタート前の自分に合った食事やレース中の補給方法がわかる
・疲労した体での俊敏性がつく

筋力がつく

登山よりも荷物が軽量とはいえ、トレイルランニングと比較したら重いです。それで長い距離を縦走するので、脚力が鍛えられます。そのため、ファストパッキングを何度か繰り返した後にトレイルランニングの装備で山へ入ると、余裕をもって走れるようになります。

体力を上手に使えるようになる

トレイルランニングのレースにはエイドステーションがありますが、ファストパッキングは食料を全て自分で持たなくてはなりません。よって、どのタイミングで何を食べるかだけでなく、このペースだと少し早めに空腹が訪れるから、少しペースを落とそうなどと考える必要があります。

こうした経験を積むと、トレイルランニングのレースで燃費よく走れるようになります。

私の場合、ファストパッキングで心がけた水分補給がトレイルランのレースで役に立ちました。トレイルランニングに水分は必須ですが、取りすぎもよくないです。その塩梅を教えてくれたのが、ファストパッキングでの水の取り方でした。

スタート前の自分に合った食事やレース中の補給方法がわかる

ファストパッキングは、トレイルランより多くの荷物を持ち、長い距離を走ります。そこで大事なのが、出発前に何をどのタイミングで食べるかです。

山に入る前の食事は重要です。山に入った後は、携帯や保管に便利な補給食に頼らざるを得ません。そのため、朝食は栄養価の高いものを多く食べるようにしましょう。

特にお勧めなのが、山に入る2時間前に糖質と水分をしっかり取ることです。糖質は、精製された炭水化物はなるべく避けましょう。

特にお勧めなのは、玄米ご飯や全粒粉のパンといった、食物繊維やビタミンB1を豊富に含んだ食事です。血糖値が急激に上昇しないので、インスリンの急激な分泌を抑えられ、バテにくくなります。また、食物繊維が多いため消化もゆっくりなので、満腹感が持続します。
(ただ、登山前に手に入れるのは難しいと思うので、可能な限りで大丈夫です)

疲労した体での俊敏性がつく

疲労した中でも俊敏性を維持できる能力も磨かれます。長い距離を縦走していると、疲労した中で俊敏性を要求される機会が多くなるからです。

トレイルランニングでは、俊敏性が重要です。木の根や石につまずいたとき、俊敏性がないとそのまま転んでしまいます。

ファストパッキングなら、障害物を踏んだときの痛みや転ばない着地を考えるトレーニングを兼ねられます。

必要最低限の装備

山小屋を使うか否かなどによって変わりますが、ファストパッキングで必要最低限の装備は、以下のとおりです。

・トレイルランニングよりも厚手のレインジャケット
・レインパンツ
・薄手のダウンジャケット
・ファストパッキング用のザック(または、少し大きめのトレイルランニングザック)
・ヘッドライトと予備バッテリー)
・急速充電器
・丈夫なトレイルランニングシューズ
・ストック
・GPSウォッチ
・ベースレイヤー
・ミドルレイヤー
・ハイドレーション
・シェルター

レインジャケット・レインパンツ

防寒着としても活躍します(活動中はもちろん寝る時も)。

私のお勧めは、モンベルのストームクルーザーです。防水性・透湿性に優れており、夜間も重宝するので、1着持っておきたいところです。小さくパッキングできて軽量な上、岩で多少こすっても破れません。

 ヘッドライト

ファストパッキングは山に長時間いるので、ヘッドライトは必須です。明るく、長時間バッテリーが持つものが良いです。

私のお勧めは、REACTIVE LIGHTING SYSTEMの搭載されたPETZLのヘッドライト。いまはPETZLのNAOというシリーズを使用しています。

https://outdoor-hacker.com/trailrunning/petzl-nao/

ベースレイヤー・ミドルレイヤー

レイヤリングについては、以下の記事をご覧ください。

https://outdoor-hacker.com/trailrunning/layering/

基本的にトレイルランの内容ですが、ベースレイヤーとミドルレイヤーについてはファストパッキングにも応用できます。

ナビゲート機能の付いたものがお勧めです。私はSUUNTO 9を使用しています。

以下はGPSウォッチのトレイルランにおける活用法の記事ですが、ファストパッキングでも役立ちます。

https://outdoor-hacker.com/trailrunning/use-gps-watch/

まとめ

ファストパッキングの魅力とトレイルランへの応用について、いかがでしたか? これをきっかけに山の知識を手に入れて、トレイルランチャレンジのきっかけにして頂ければ幸いです。

知るべきことや選択するギアが分かれば、あとはファストパッキングに踏み込むだけ。ぜひチャレンジしてみてくださいね!

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