これでルーフの達人に。自宅で強くなれるクライミングトレーニング ―腹筋・体幹編―

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自宅に居ながらできるクライミングトレーニングの第二弾です。今回は、腹筋、体幹用のトレーニングを紹介します。

腹筋や体幹を鍛えれば、特にルーフのルートを登るときに体が安定し、足が離れてしまった後のリカバリーも簡単になります。腕、肩の筋肉とともにしっかり鍛えておきたい部分です。

今回は、筋トレ器具ありのメニューと、なしのメニューを紹介します。

 

筋トレ器具無しのお手軽トレーニング

レベル1 まずは基本のプランクから

まずは、体幹トレーニングの基礎であるプランクから始めてみましょう。やり方は、床に寝ころび、肘と爪先で体を支えます。このとき、手はぐっと握りこまずに少しリラックスし、足から頭までを一直線にするイメージにすると腹筋周りへの負荷が高くなります

ありがちなフォームの崩れとしては、お尻が上がり過ぎ・下がり過ぎ、あとは頭が下がっているというのが挙げられます。他の人と一緒にトレーニングする場合は、フォームをチェックしてもらい、一人暮らしの方はスマートフォンなどで動画を撮り、後で見直して正しいフォームに近づけていきましょう。

おすすめのセット数は30~60秒を3回で、間の休憩はトレーニング時間の半分にします。例えば、

1. プランク60秒
2. 休憩30秒

を3回行います。

プランクがきつい場合

もしプランクに慣れておらず、きついと感じる場合は、椅子の座面に手を付け、体をまっすぐにする所から始めてみます。これは、立っている状態とプランクの間くらいの負荷をかけるトレーニングで、それなりの効果があります。

これができるようになったら、肘ではなく手で支えるプランクを行います。腕立て伏せの状態でやるプランクです。これも安定してできるようになったら、先の本格的なトレーニングに移りましょう。

 

レベル2 横向きプランク

次に行うのが横向きプランクです。まず腕を伸ばした状態からはじめ、慣れてきたら肘で体を支えられるようにします。初めは、肩や肘に痛みを感じると思いますが、そのうち慣れるので無理のない範囲でやりましょう。

これも通常のプランクと同様に、30~60秒維持し、その半分の時間休憩を取るというのを3回行います。

意識としては、腹斜筋(お腹の横の部分)に負荷をかけるイメージです。

 

レベル3 マウンテンクライマー

次に紹介するのが、マウンテンクライマーです。このトレーニングは、体幹を鍛えると同時に有酸素運動でもあるので、余分な脂肪を落とし、体重を軽くしてくれます。クライマーは余分な体重が落ちれば、それだけ強くなります。

やり方はシンプルで、腕立て伏せの腕を伸ばした状態から、膝を片方ずつ胸にひきつけます。これを連続して行います。

初めは10秒トレーニング+10秒休憩を3セット行い、慣れてきたら、20秒トレーニング+10秒休憩を3セットにします。それもできるようになったら、タバタトレーニングでやってみるといいでしょう。これは20秒トレーニング+10秒インターバルの8セットで行うものです。

 

筋トレ器具ありトレーニング

以上、筋トレ器具無しトレーニングを3つ紹介しました。ただ、もっと強くなりたい人は、筋トレ器具を使ったトレーニングがより効果的に鍛えられてオススメです。ここでは懸垂器具、サスペンショントレーナーを使った体幹トレーニングを紹介します。

 

懸垂器具を使ったトレーニング ―フロントレバーまでの道のり―

懸垂器具を使ったトレーニングの最終目標はフロントレバーです。これができるようになると、理論的には、足が付いていない状態でもルーフの壁に体を近づけたままキープできるようになります(現実は必ずしもそうではありません)

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足の力だけでフットホールドを捉えるのではなく、体幹の力でも支えられるようになるので、クライミングへの効果はかなり高いです。筆者はまだフロントレバーを3秒キープするのが限界ですが、それでもできるようになってからは、ルーフの課題で足が無闇に切れることが減りました。

では、具体的なトレーニングを見ていきましょう。

 

レベル1 タックレバー

フロントレバーはいきなりやれと言われてできるものではないので、まずはタックレバーから始めます。足を畳んだ状態で行うトレーニングです。

はじめは、完全に足を畳んだ状態から始めます。

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この状態を最低でも30秒キープできるようになったら、足を少しずつ伸ばしていきます。

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半分くらいまで伸ばせるようになったら次のステップに進みます。2つの方法があるので、自分が快適なほうを選んでください。

 

レベル2ー1 片足レバー

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一つ目の選択肢は、片足レバーです。片足を伸ばし、もう片方は畳んだ状態でキープします。これを初めは5秒程度、できるようになったら10〜20秒キープして、伸ばす足を入れ替えます。これを3セット行うと、さらに効果的です。

これが安定してできるようになったら、フロントレバーの完成までもう少しです。

 

レベル2ー2 ネガティブトレーニング

もう一つの選択肢は、ネガティブトレーニングです。これは、腕を伸ばし、足を上げ、鉄棒に足がくっつく状態、いわゆる逆立ちの途中の状態で止まり、そこから体を頭から足の先までまっすぐにした状態でゆっくり下ろしていくトレーニングです。

この下ろしていく過程でフロントレバーの姿勢になるのですが、まだその状態で静止できないと思います。最初は、ありったけの力をこめて足の落下の速度をゆっくりにしていきましょう。筆者はこのネガティブトレーニングを続けていたら、ある日からフロントレバーの状態で静止できるようになりました。

 

番外編 腹筋全体を鍛えるワイパー

以上がフロントレバーまでの道のりでしたが、懸垂器具を使った腹筋トレーニングをもう一つ紹介しておきます。ワイパーです。

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ワイパーはぶら下がった状態で足を伸ばし、車のワイパーのように左右に振るトレーニングです。腹筋と腹斜筋を鍛えられ、同時にルーフでの足使いも安定します。また、フロントレバー用のトレーニングやプランクよりも割れた腹筋を作りやすいので、かっこいい体になりたい人にオススメです。

 

サスペンショントレーナーで行う高負荷プランクメニュー

体幹トレーニングはTRXのサスペンショントレーナーがあると、さらに効果的に行えます。ドアに挟んで使えるので、設置に手間がかからず、かさばらないのでおすすめです。体幹トレーニングだけでなく、広背筋や上腕二頭筋等のトレーニングにも使えるので、一つ持っておいて損はありません。

プロクライマーのPaul Robinson選手もサスペンショントレーナーを使って体幹トレーニングを行っています。フォームもとても綺麗なので参考になります。

 

体幹と腹筋を鍛えて安定感のある登りを

体幹と腹筋を鍛えれば、特にルーフでの登りが安定し、上級者により近づけます。外岩の段以上のルーフ課題はしっかりした体幹がなければ、落とすことは非常に難しいですし、近年ではコンペでもルーフでのダイナミックな課題が増えており、ますます足が離れた状態からの安定したリカバリーが求められています。

今回紹介したトレーニングなら、自宅で30分くらいやるだけでも力が付きます。忙しい方もぜひ試してみてください。

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