鋳鉄製のフライパン「スキレット」。ダッチオーブンと同じ素材でできたこの厚くて重いフライパンは、アウトドアでの使用に限らず、ちょっとしたブームになっています。スキレットのメリットや製品選び、お手入れ、レシピなど、スキレットの使いこなし術を調べてみました。
スキレットのいいところ「食卓が映える」
スキレットは、分厚い鋳鉄でできているため、熱くなるまでに少し時間がかかりますが、熱がすみずみまで行き渡りムラ無く火を通すことができます。また、一度温まると冷めにくいので、余熱調理ができます。火からおろしても温かいまま食べたいグラタンやお好み焼きなどの料理にも向いています。
もうひとつ、人気の秘密は、食卓にそのまま出してもさまになるという点です。黒いシンプルなスキレットに乗せると食材の色が映えますし、スキレットの上でジュージューと焼けているハンバーグを食卓に出せば、レストラン気分が味わえます。
スキレットその1「人気のロッジ」
出典:LODGE
ダッチオーブンのメーカーとして有名なLODGE(ロッジ)が作っているスキレットは、キャンパーにも根強い人気があります。厚さは5ミリで、とても重いです。
サイズは5インチ(11.7cm)のミニサイズから12インチ(29.9cm)の大きなものまで6種類あり、一番人気があるのは10-1/4(25.7cm)です。
一人分ずつ料理を出すカフェスタイルで使いたい場合は5インチや6インチのものを複数枚用意するとよいでしょう。
スキレットその2「コスパ抜群のニトスキ」
出典:ニトリ
ニトリで売っている「スキレット鍋」は、とてもリーズナブル。「ニトスキ」と呼ばれて、一時は店頭から姿を消すほどの人気となっています。
大きさは15cmと19cmの2種類。一人分なら15cm、まとめて調理するなら19cmと、両方買って使い分ける人が多いようです。
下に敷く木台も売っているので、合わせて用意すればアウトドア料理がぐっとおしゃれになります。
スキレットその3「ダイソーでも売ってる!100スキ」
ダイソーなどの100円ショップで売られているスキレットは「100スキ」と呼ばれています。実際はダイソーでは鋳物シリーズとして200円(税別)で販売されています。
ポイントは形。ロッジやニトリのような丸いタイプではなく、四角いもの(四角取っ手付き皿)や楕円形の両側に取っ手がついているもの(取っ手付き皿)がそれぞれ200円で変えるので、料理に合わせていろいろなタイプを用意したい場合には便利ですね。
カバーを買うとメニューが増えます!
専用のスキレットカバーをつかってフタをすると、気密性が高くなり、蒸し物や煮物なども上手にできます。ロッジのスキレットカバーは大変重く、しっかり閉じると圧力がかかって、固いものを柔らかくする効果もあります。
ちなみにスキレットカバーがなくても、スキレットを2枚重ねてカバー代わりにすることもできます。
グローブも買っておこう!
スキレットは柄の部分も鉄でできており、継ぎ目もないためとても熱くなります。スムーズに調理するには、耐熱の革グローブ(手袋)があるといいでしょう。
●スノーピーク キャンパーズミトン
●ロゴス BBQ耐熱グローブ
スキレットのお手入れ方法
By: Bruce
スキレットのほぼ唯一のデメリットといえるのが「お手入れが大変」ということ。スキレットに限らず、ダッチオーブンなど鋳物全般に言えることですが、使う前や使った後のお手入れを怠ると、すぐに錆びてしまいます。
そのため、スキレット全体に油を馴染ませて油膜を作る「シーズニング」という作業が必要になります。シーズニングを行うことで使えば使うほど油が馴染み、調理しやすくなっていきます。
・購入直後
出荷時に錆び防止のために塗られているワックスを水洗いで落とします(説明書に「洗剤で落とす」と書いてある場合もあります)。その後すぐに、「使う前のお手入れ」と同様の作業を行います。
・使う前のお手入れ
水洗いしたスキレットを火にかけて、しっかりと焼きます。柄まで熱くなるのでミトンやグローブを忘れずに。
煙が上がるぐらいまで熱したら、オリーブオイル等の油を入れて、キッチンペーパーなどを使って全体に塗りこみます。
・使った後のお手入れ
使用後はなるべく早く熱いお湯とスポンジで洗います。洗剤は使わないようにしたほうがよいでしょう。また、スキレットが熱くなっているときに冷たい水をかけると割れることがありますのでやらないようにしましょう。焦げ付いている場合はスクレーパーなどでそぎ落としてから洗います。匂いが気になるときは重曹を使うと取れます。
洗ったスキレットは火にかけて、しっかりと焼きます。煙が上がるぐらいまで熱したら、オリーブオイル等の油を入れて、キッチンペーパーなどを使って全体に塗りこみます。
その後、スキレットが冷めたら、新聞紙にくるんで水気のないところで保管します。ちょっと大変なようですが、慣れてしまえば毎度のことで、そんなに時間もかかりません。油がなじんでくると、調理の際にくっつくこともなくなり、扱いやすくなってきます。油が馴染むことで長い間使うことができるようになりますよ。
スキレットレシピ1「海老のアヒージョ」
アヒージョは食材をオリーブオイルで煮るスペインの料理です。
<材料>
エビ | 8尾 |
---|---|
オリーブオイル | 60ml |
ニンニク | 2片 |
クレイジーソルト | 少々 |
<作り方>
1.海老は殻をむいて背ワタをとります
2.にんにくは薄切りにします
3.オリーブオイル・ニンニク・赤唐辛子をスキレットに入れて弱火で煮ます
4.海老を加えて5分ほど煮ます
5.クレイジーソルトで味を調えてできあがり
スキレットレシピ2「チキンソテー」
スキレットでチキンソテーを作ると、皮がパリッと仕上がって美味しくなります。
<材料>
鶏もも肉 | 1枚 |
---|---|
にんにく(スライス) | 1かけ |
オリーブオイル | 大さじ1 |
塩こしょう | 少々 |
<作り方>
1.肉の厚みのある部分に切り込みをいれ、塩コショウをしておきます
2.ビニール袋にオリーブオイル、にんにく、鶏肉を入れて1時間以上おきます
3.スキレットを熱し、オリーブオイルを薄くひきます
4.鶏肉の皮を下にして、スキレットに入れます
5.皮がパリッと焼けたらひっくり返します
6.中まで火が通ったらできあがり
付け合せにカットしたジャガイモなどを一緒にスキレットに入れてもいいですね。
スキレットレシピ3「スキレットスモア」
炙ったマシュマロとチョコレートをグラハムクラッカーに挟んで食べるスモアを、スキレットで作ります。
スキレットは柄の部分も鉄でできており、継ぎ目もないためとても熱くなります。スムーズに調理するには、耐熱の革グローブ(手袋)があるといいでしょう。
<材料>
マシュマロ | 好きなだけ |
---|---|
板チョコ | マシュマロと同じ数 |
グラハムクラッカー(普通のクラッカーやリッツなどでもOK) | マシュマロの2倍の数 |
<作り方>
1.温めたスキレットに板チョコを敷き詰めます
2.その上にマシュマロを敷き詰めます
3.スキレットカバーをしてマシュマロに色が付くまで焼きます
スプーンですくってクラッカーに乗せて食べてくださいね!
スキレット使いこなし術、いかがだったでしょうか?小さいサイズのスキレットは、バーベキューコンロの片隅に置いておつまみをちょっと作る・・・といったときにも重宝します。お手入れが必要な分、愛着が湧いて長く使える道具になりそうですね!
アイキャッチ画像出典:Ruth Hartnup
2人の男子の母。キャンプでは調理担当です。設営と火起こしは主人の担当なのでよくわかりません(!)好物は焚き火とビールとお風呂。日帰り温泉が近いかどうかでキャンプ場を選ぶタイプです。神奈川・山梨によく出没します。今は子連れのどたばたキャンプですが、子どもが大きくなったら夫婦でおしゃキャンしたいので情報収集に努めています。
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