キャンプ飯によく登場するハーブ。
お肉料理にはローズマリー、魚料理にはタイム、ピザにはバジル、そしてお酒やデザートにミント、などなど・・・
どれもキャンプ料理でよく登場するハーブなので、馴染みがあると思います。
しかし、どのハーブも海外ハーブで在来種のものではありません。
実は、日本にも古来より親しまれている在来種のハーブ「和ハーブ」があります。
今回はそんな和ハーブの種類や、キャンプ料理での楽しみ方などについてご紹介したいと思います。
~そもそも和ハーブとは?~
ハーブという言葉は、ラテン語の「herba」が語源とされ、香りや刺激、薬効がある植物の葉や茎のことを指します。
日本古来の在来種は「和ハーブ」と呼ばれ、何百年も前から日本人の暮らしに幅広く役立つ薬効のある植物として親しまれてきました。
~和ハーブがおススメな理由~
和ハーブは独特な香りを持つものが多く、私たち日本人にとっては心が落ち着き、そして身体が元気になる不思議な和み効果があるようです。今ではアロマテラピーや料理など、多方面で使用されています。
実際、ハーブは自律神経の調整やエイジングケア、美肌効果など、多くの効果・効能をもたらすと期待されています。
スーパーなどで手軽に入手できる和ハーブを、美味しいキャンプ飯にアクセントとして取り入れると、心身ともに良い影響がありそうですね!
ちなみに「身土不二(しんどふに)」という言葉はご存知ですか? 自分の心と身体に最も良い食べ物は生まれながらの土地にあるという考え方です。日本で育った和ハーブは、私たちが健やかであるために、ぴったりの食材かもしれません。
~代表的な和ハーブとレシピ~
【シソ(大葉)】
シソは日本人にとって、とても馴染みのある代表的な和ハーブのひとつ。香りが独特かつさわやかで「和のバジル」といわれるほどです。使い勝手が良く、私たちの食卓を鮮やかに彩ってくれます。
料理では控えめな脇役としての登場が多いですが、滋養強壮効果があり、食卓の彩りだけではなく健康にも一役かっているのです。
◎シソのジェノベーゼソースを作ろう!
本来ならバジルの葉で作るジェノベーゼを、シソの葉で作ってみましょう。冷凍しておけば、キャンプへ持参できますよ!
シソを使ったジェノベーゼソースは、バゲットに塗ったり、パスタソースに、ポテトフライなどにディップしたり、そして肉料理にも・・・など、幅広く使える万能ソースです。
バジルのジェノベーゼソースとは一味違った、シソならではの爽やかさにやみつきになりますよ!
材料
シソ | 40枚 |
---|---|
くるみ | 30g |
オリーブオイル | 120cc |
パルメザンチーズ | 大さじ3杯 |
にんにく | 2片 |
塩コショウ | 少々 |
作り方
1. シソの汚れを落とし、茎を切っておく。
2. 全材料をミキサーに入れ、液状になるまでミキサーにかけて出来上がり!
キャンプへ持っていくときは、使用する分量だけジップロックに入れ、空気を抜いて冷凍しておきましょう。
自宅で使う場合は、熱湯消毒したビンに入れ冷蔵庫へ保管すればOKです。上記の量で、ジャムのビン一つ分くらいになります。しばらく使わない場合は、ジップロック入れて冷凍保存しておくと良いでしょう。
【ワサビ】
お刺身の横や、お茶漬けの上にあるワサビ。そのワサビも馴染みのある、代表的な和ハーブです。あの、鼻にツ~ンとくる刺激がクセになり、たまらないですよね!
そのワサビには、多くの健康に良いとされている効能が報告されています。
*抗菌・殺菌作用
ワサビの辛味成分「アリルイソチオシアネート」には、殺菌作用や、食材の鮮度を保ってくれる効果があるとされます。
*抗酸化作用
ワサビには、細胞の酸化を抑えてくれる抗酸化作用があるとされています。また老廃物を体外へ排出してくれる効果もあり、むくみの改善にも役立つといわれます。
*血流促進
ワサビには血流を良くする作用があり、冷え性や血栓が原因で起こる脳梗塞などの解消・予防効果も期待できるそうです。
◎おろしたての生ワサビで贅沢お肉!
ワサビというと、手軽に使えるチューブタイプのものが楽ではありますが、あえて生ワサビを1本と、おろし金(あれば鮫皮おろし)を持って行きましょう!
キャンプと言えばもちろん【お肉】ですよね!
豪快に焼いたお肉に、おろしたての生ワサビを少量のせて食べてみて下さい。素材の美味しさを引き立ててくれる、魔法の薬味となりますよ。
お肉は、牛・豚・鶏・なんでもOK!ツーンという辛味の中に、お肉本来の味と旨味をより一層感じられます。
ワサビを乗せる前に、岩塩を少し付けると、お肉の甘みとジューシーさが増して美味しいですよ!
【三つ葉】
三つ葉は、お吸い物やお雑煮などの汁物によく見られます。シャキシャキとした食感と、爽やかな香りを楽しむ薬味として使われることが多いですね。
この三つ葉も和ハーブの仲間であり、身体に良いとされるさまざまな効果・効能が報告されています。
*動脈硬化予防・発がん予防
三つ葉にはベータカロテンが豊富で、動脈硬化やがんなどの予防作用が期待できるとされます。
*高血圧予防
三つ葉はカリウムも豊富です。カリウムは塩分を体外に排出してくれる作用があり、高血圧予防が期待できます。また、塩分の過剰摂取によるむくみなどの改善にも効果があるとされます。
*食欲増進効果・ヒーリング効果
三つ葉の香り成分であるクリプトテーネン、ミツバエンという成分には、食欲増進の効果があるといわれます。さらに、神経を落ち着かせてイライラを抑えてくれる効果も期待できるそうです。
◎三つ葉のサラダを作ろう!
今回は三つ葉をメイン食材とした、爽やかな香りとシャキシャキ感を存分に堪能できるサラダをご紹介します。
焼きのりの香ばしさがマッチして、お酒のおつまみにピッタリ!
材料
三つ葉 | 1束 |
---|---|
新玉ねぎ | 1/4個 |
焼きのり | 1枚 |
ポン酢 | 大さじ3杯 |
ゴマ油 | 大さじ1杯 |
作り方
1. 三つ葉はサッと洗い水気を切ってから、5cmくらいの長さにザク切りにする。
2. 新玉ねぎは、薄めのスライスにする。
3. 焼きのりは、火で炙りパリパリにしておく。
4. 大きめのボウルに三つ葉と新玉ねぎを入れ、ポン酢とゴマ油をまわし入れ、サックリと混ぜる。
5. 調味料が全体にまわったら器に盛り、上から焼きのりを手で揉んで乗せる。
より三つ葉の香りと食感を楽しみたい方は、新玉ねぎを省いてもOKです。
【山椒】
山椒といえば、鰻重や、鰻のかば焼きにサッとふりかけて食すのが定番ですね!
ピリッとしたシビレ感と、胡椒とは違った独特な香りが病みつきになるハーブです。
この山椒も、多くの効果・効能が報告されています。
*胃腸機能の改善・食欲増進効果
山椒には、サンショオールという成分が含まれており、整腸作用や内臓にかかわる粘膜の強化に効果があるとされています。
そして、辛み成分が食欲を増進させると共に、発汗作用からくる代謝の向上、脳の活性化なども期待できます。
*デトックス効果
山椒には、新陳代謝を高めてくれる効果が報告されています。さらに、尿路感染などを防ぐ効果も期待されています。
*冷え性の改善
山椒は、血行を良くする効果があり、冷え性の改善に役立つとされます。
◎万能スパイス「山椒塩」が便利!
材料
粉山椒 | 適量 |
---|---|
塩 | 適量 |
作り方
1. ビニール袋に粉山椒と塩(1:2)を入れる。
2. ビニール袋の口を絞り、シャカシャカ振りまんべんなく混ぜる。
粉山椒と塩の割合は、お好みによって変えてみて下さいね。
【ヨモギ】
ヨモギと言えば、皆さんご存知の美味しい和のスイーツ、ヨモギ団子や草餅などで有名ですね。散歩中などに道端で手軽に採取できますが、実は驚くべき効能が秘められているのです。
*デトックス効果
ヨモギには利尿効果があり、体内の老廃物を排出してくれるといわれます。
また新陳代謝を高める作用もあり、体内の有害物質も排出してくれる、デトックス効果も期待できます。リンパや血液の流れが良くなるので、美肌効果やむくみ改善などにもつながると考えられています。
*整腸効果
ヨモギにはたくさんの食物繊維やミネラルなど、腸に良いとされる成分が含まれているため、悪玉コレステロールや活性酸素のような腸に悪いとされる有害物質の排出を促してくれるといわれます。
そのため、腸内環境が改善し、便秘の解消などが期待できます。
*貧血予防・浄血効果
ヨモギに含まれるクロロフィルという葉緑素は、緑の血液と呼ばれ、摂取することで貧血の予防と改善が期待できます。
そして血液をサラサラして血行を良くする効果もあるとされ、冷え性の改善にも良いといわれます。
◎作り方は超簡単!ヨモギ餅でくつろぎの時間を・・・
キャンプでは、あまり和のスイーツを食べる機会が少ないと思います。
ですが、ここはあえてのヨモギ餅で、まったりとした時間を楽しんでみてはいかがでしょう?
材料(2人分)
ヨモギ | ひとにぎり |
---|---|
切り餅 | 4個 |
きな粉 | 適量 |
作り方
1. ヨモギはキレイに洗い、茹でる。
2. 茹でたヨモギは水気を絞り、包丁でたたき細かくする。
3. 鍋にお湯を沸騰させ、切り餅を入れ茹でる。
4. 切り餅が軟らかくなったら、ボウルに移し、細かくしたヨモギを入れよく混ぜる。
5. 切り餅が、キレイなヨモギ色になったら、食べやすい大きさに丸める。
6. 5.のヨモギ餅に、きな粉をまんべんなくまぶしたら出来上がり!
キャンプ場での和のスイーツは、設営などで疲れた身体を癒やし、神経をリラックスさせてくれるはずですよ!
ヨモギ餅でマッタリタイムをお過ごしください。
おしまいに
いかがでしたか?
和ハーブの種類はまだまだたくさんありますが、今回はキャンプ料理におススメのものを、いくつかご紹介させていただきました。控えめで脇役的な存在ですが、他にはない独特の味や香りを楽しめますよ。
そんな健康志向の和ハーブを、もっとたくさんキャンプ料理に取り入れられるよう、アイデアを考えるのも楽しみの一つとなりそうですね!
【仕事】・フリーライター
【趣味】・登山 ・旅 ・日本酒 ・夫婦で晩酌 ・愛犬「山葵」と戯れる ・自然に触れる
【好きな言葉】・「日々是好日」 ・「Hot & Cool」
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