バイクの健康は大丈夫?【エンジンオイルの基礎知識】

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夏は身も心も軽快にツーリングが楽しめる季節。しかし、バイクのメンテナンスが不十分では、軽快に気持ち良く走れなくなってしまいます。

今回は、バイクメンテナンスの基本にして最も大切な「エンジンオイル」についてお話ししたいと思います。

 

エンジンオイルの役割とは?

エンジンオイルは、バイクのエンジンをスムーズに動かすのはもちろん、下で紹介するような役割も担っています。

 

*潤滑と密封

エンジンの内部では、シリンダー(※1)の中のピストン(※2)が1分間に数千回転もしています。これによって生まれた動力で、バイクは前に進みます。

エンジンオイルは、このピストン運動がスムーズに行われるよう、油膜を作って摩擦によるストレスを軽減する役割を担います。

また、シリンダーとピストンの間には、わずかな隙間があります。この隙間が広すぎると、じゅうぶんな動力を生み出せません。

エンジンオイルはこの隙間を埋めてシリンダー内の気密性を上げ、動力をしっかり確保する役割を果たします。

(※1)シリンダーとは、ピストンを格納している部品
(※2)ピストンとは、混合気の燃焼で生まれる熱エネルギーによって上下に往復運動し、動力を生み出す部品

 

*洗浄効果

エンジン内には、ピストン運動によって生まれるスラッジ(鉄粉や煤などの汚れ)が溜まっていきます。そのまま放っておくと、エンジンの性能がじゅうぶんに発揮されなかったり、その寿命を縮めてしまったりしかねません。

エンジンオイルは、このスラッジを取り除き、エンジン内部をキレイに掃除してくれる役割を担います。

エンジンオイルを交換する時、前のオイルが真っ黒に変色していたら、エンジン内部には大量の汚れが溜まっています。

汚れたオイルではスラッジを取り除く効果が落ち、エンジンの機能がじゅうぶんに発揮されなくなるので、定期的に新しいオイルに交換しましょう。

 

*冷却効果

バイクを走らせた後、エンジン周りが熱くなりますよね。それはエンジンの内部で燃料が燃えたり、ピストン運動による摩擦が生じたりして発生する熱のためです。

エンジンオイルは、そうした熱を吸収・放熱し、エンジン内に熱がこもるのを緩和する役割を担います。このおかげで、エンジン内部の部品が熱によって変形・破損したり、焼き付けを起こしたりするのを防げます。

 

*防錆び効果

エンジンから発せられる熱は、外気との温度差で結露ができやすくなります。このせいで、エンジン部品が錆びる恐れがあります。

エンジンオイルは、エンジンの部品に油膜を張り、水分や空気で錆びないように守ってくれます。

 

オイル交換のタイミングは?

Mao Furumoto/古本 舞桜(@furumoto_mao)がシェアした投稿 -

エンジンオイルを交換する目安は、走行距離ならおよそ3000~5000kmごと、もしくは距離にかかわらず約6ヵ月ごとの交換が一般的です。

そして、エンジンオイルを交換する時、2回に1回はオイルエレメント(オイルフィルター)も一緒に交換しましょう

オイルエレメントは、オイルの不純物をろ過して取り除く役割を果たす部品です。だいたいのスラッジは、このオイルエレメントで取り除いてくれます。

これが汚れていると、オイルの汚れがそのままエンジン内を循環してしまうため、定期的な交換が必要です。

エンジンオイルは、バイクの車種によって交換推奨時期が違うため、事前にバイクの取り扱い説明書を確認しておきましょう。さらに、バイクの乗り方や排気量によっても違いがでてきます。自分自身で判断に迷う場合は、プロの整備士の方に相談すると安心ですね。

なお新車の場合、慣らし運転後にスラッジが多く出るので、およそ1000kmでエンジンオイルとオイルエレメントを交換しましょう

 

オイルの種類ってあるの?

SP忠男 浅草店(@sptadao_asakusa)がシェアした投稿 -

エンジンオイルは「ベースオイル+添加剤」でできています。

ベースオイルには3種類あります。このベースオイルに、さまざまな効果を発揮してくれる添加剤と混合することで、特徴の違うエンジンオイルが出来上がるのです。

3種類のベースオイルとは・・・

1. 鉱物油

鉱物油は、古くから使われているベースオイルで、原油を蒸留・精製したものです。

他のベースオイルに比べると安価ですが、耐熱性に弱く、オイル自体の劣化が早いです。そのため、早めのオイル交換が必要です。

発熱量の多い大型バイクなど、高回転型エンジンには不向きのようです。

2. 化学合成油

化学合成油も原油から作られます。鉱物油との違いは、より高度な精製技術で不純物を可能な限り取り除かれており、耐熱性や潤滑性により優れている点です。

しかし、ハイパフォーマンスなため価格も高いというデメリットがあります。

3. 部分化学合成油

上記の鉱物油と化学合成油をブレンドしたベースオイルです。お互いの良いとこどりをしつつ、価格を抑えられているなど、コストパフォーマンスに優れています。

 

なお、一概に高価格・高性能なベースオイルを選べばよいのではありません。街乗り、ツーリング、サーキット走行など、バイクの使用目的によってオイルの選び方は変わってくるので気をつけてください。

 

エンジンオイルの粘度って?

エンジンオイルは、冷えている時はヌルヌルしており、エンジンが動いて発熱するとサラサラになります。このヌルヌル / サラサラ度合いが、エンジンオイルの粘度です。

オイルがサラサラに変化すると、金属同士の摩耗が増加し、エンジン内部の部品にダメージが入ります。これをそのまま放っておくと、エンジンが壊れるなどの大きなトラブルにつながる恐れがあります。

そのため、オイルは熱を加えてもヌルヌル感が保たれる、粘度変化が少ないものが好ましいと言えます。

 

今の時代に主流となっているのは、マルチグレードのエンジンオイルです。

エンジンオイルのパッケージに「10W-40」のような表記があるのを見たことはありませんか?

タケル(@tak.4_iri)がシェアした投稿 -

これは、低温時(左側の15W)と、高温時(右側の40)の粘度を表しています(ちなみに左側のアルファベットの「W」は「Winter」の頭文字です)

この表記は、エンジンオイルを使用できる気温の範囲の目安を示しています。

左側の数字が小さいほど、寒冷地などでもエンジンオイルが硬くなりにくく、右側の数字が高いほど、気温が高い場所でもエンジンオイルの粘度に影響が少ないです。

この表記を参考に、走る場所の気温や走行目的(通勤、サーキット走行など)によって、エンジンオイルの粘度を見直す必要があります。

国内メーカーの製品では、一般的な使用推奨粘度を10W-30、10W-40(極端に気温の低い地域などは例外)としているケースが多いようです。ただ、車種によって推奨粘度が違う場合もあるので、サービスマニュアルを確認しましょう。

ちなみに、エンジンオイルを常に適切な粘度で保つには、使用できる気温の範囲が幅広いものが良いですが、そうした高性能オイルは価格も高めです。

 

おしまいに

いかがでしたか?

エンジンオイルの役割は多岐にわたり、そして、とても重要な役割を担っていることがご理解いただけましたでしょうか?

エンジン内部とオイルの状態は、パッと見て確認できません。だからこそ、常に気にかけることが大切なのです。

もし、自分自身で交換のタイミングや、エンジンオイル選びなどで分からないことがあったら、信頼できるバイク店へ相談することをおススメします。

自分の大切なバイクの健康のために、定期的なオイル交換を怠らないよう気を付けましょう!

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