冬の終わり~早春を代表する山菜「ふきのとう」は、雪解けを待たずに顔を出す、春一番の山菜で、「春の使者」とも呼ばれています。
独特の香りと苦みがあり、これぞまさに「春の味覚」と言えるのではないでしょうか。
冬眠から目覚めたクマが、最初に食べるのがふきのとうだとも言われていますが、人間にとっては冬の間にたまった脂肪や老廃物を洗い流す効果もあるんだとか。
そんな早春の味覚「ふきのとう」の採取方法と簡単レシピをご紹介します。
ふきのとうの採取方法
八百屋やスーパーでは12月~1月にかけて栽培品種がパックに入れられて並んでいますが、自生しているふきのとうは2月~3月頃が旬と言われています。
日本全国の野や山に自生しており、温暖な地方の平野部では1月から、寒冷地の山間部では5月頃まで採取が可能です。
日当たりの良い土手やあぜ、湿り気の多い川沿いや谷沿い、日陰気味の山沿いなどに自生しており、まだ他に植物が顔を出していない中、真っ先に黄緑色の顔をのぞかせているため、すぐに見つけることができます。
採取の際には根元近くで折るかナイフなどで切り取るようにしましょう。
根は土の中で横に這うように伸びており、その同じ根からはふきのとうだけではなくフキも生えてきますので、くれぐれも引っ張って抜いてしまわないように気をつけてください。
ふきのとうのあく抜き方法
ふきのとうのあの苦味がたまらなく好きという方もいらっしゃるのではないでしょうか。一般的にはこの苦味やえぐ味、渋味などのことをまとめて「あく」というのですが、このあくの中には意外と有効成分も多く含まれています。
ですから、あく抜きをし過ぎてしまうとせっかくの有効成分までなくなってしまいますので、有効成分はなるべく残しながらあく抜きをしたいものです。
●沸騰したお湯でゆでて冷水にさらす
先ほどご紹介したフキノトキシンは水溶性で水に溶けやすく、水にさらすだけでもよいと言われていますが、さらに熱湯でゆでることによって分解され流れ出てしまいます。
ゆでる時間が長いほどあくは抜けていきますので、苦みを残したい方はさっとゆでてすぐに冷水に、もう少し苦みを取りたい方は3~5分ゆでて冷水にさらしてください。
それ以上は食感が悪くなるためおすすめできません。
●冷水につけてからゆでる
どうしても苦みを抜きたいという方は、ゆでる前に1晩水につけておいてから熱湯でゆで、さらに冷水にさらすとより苦みが抜けます。
●塩でもんで水にさらす
ふきのとうを塩でよく揉むと黒い汁(あく)が出てきます。あくを洗い流した後さらに冷水にさらしておきます。
生のままの調理の際には、ゆでずにこのまま使ってください。
【ふきのとうレシピ1】ふきのとうのおひたし
1.ふきのとうはさっとゆでて冷水にさらし、固く絞っておきます。
2.適当な大きさに切って器に盛り、めんつゆで味をととのえてかつお節をかけます。
【ふきのとうレシピ2】ふきのとうみそ
ふきのとうの代表的な食べ方ともいうふきのとうみそ。実はとっても簡単に作れるんです。
用意するもの
ふきのとう | ひとつかみくらい |
---|---|
味噌 | 大さじ3~4 |
みりん | 大さじ1~2 |
砂糖 | お好みで大さじ1~2 |
ごま油 | 適量 |
1.ふきのとうはよく水洗いしたら水気をふき取り、細かく刻んでおきます。
2.熱したフライパンにごま油を入れ、ふきのとうを炒めます。
3.しんなりしてきたら味噌とみりんを入れて水分がなくなるまでしっかりと練るように炒めていきます。甘めが好きな方はお砂糖も入れます。
4.完全に水分がなくなったら出来上がりです。
苦いのが苦手な方は、花を取り除いたり、成長して花が開いたものを使うと苦みが少ないです。
よく炒ったクルミやピーナッツを砕いたものを入れて作ると、香ばしさが増しますよ。
【ふきのとうレシピ3】ふき味噌チーズディップ
用意するもの
ふきのとうみそ | 大さじ1~2 |
---|---|
クリームチーズ | 15~30g1 |
1.ふきみそとクリームチーズをあわせてしっかりと混ぜます。
2.バケットやクラッカーなどにたっぷりとつけていただきます。
ふきのとうの苦みと味噌の塩味、クリームチーズのコクがとっても合いますので、おつまみにもぴったりです。
まとめ
今回は早春の山菜、ふきのとうの採取方法と簡単レシピをご紹介しました。
ふきのとうの調理に欠かせないのがあく抜きですが、あく抜きをしすぎると今度は味がぼやけて風味もなくなってしまいます。それにふきのとうの一番の味の決め手はやはりあのほろ苦さだと思いますので、いろいろ試してみてぜひ絶妙なほろ苦さを見つけてください。
ふきのとうには冬の間に体内にため込んだ不要物・老廃物を体外へ排出する効果があると言われています。
体の内をデトックスして健康な生活を送るためにも、今年は春先にふきのとうを見つけたらぜひ試してみてくださいね。
モットーは「人生は毎日がキャンプ!」。だいたい年間の半分以上は海外や日本国内を旅しています。山に行けば山菜や渓流の魚を料理し、海へ行けば岩場の貝や釣れた魚を堪能しています。国内では車中泊が多いですが、海外では列車での国境越えや、駅で段ボールを敷いて野宿することも。基本的には無計画で行き当たりばったりの旅。山菜はいろいろと食べてみた中で、美味しかったものを中心にご紹介します!
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