このサイトでは前に「【煙突効果】バーベキューでかんたんに火をつける方法」という記事で、火起こしの基本をお伝えしました。
今回は、そちらで説明できなかった「正しいたきつけ方」をお伝えしたいと思います。バーベキューのたび、炭にすぐ火がつかなくて悩んでいる方、ぜひ参考にしてください!
たきつけ=着火剤
たきつけとは、いわゆる着火剤です。
炭は直接火をつけようとしても、なかなかうまくいきません。バーナーなら簡単ですが、使い慣れていないと怖いですよね。
初心者でも簡単に炭に火をつけるには、たきつけを使います。
たきつけには通常、灯油などがしみこませてあるので、マッチ一本で簡単に火がつきます。そのまま燃え続けてくれるので、短時間で炭に火をつけることができます。
たきつけの選び方&おすすめ着火剤
たきつけを選ぶときのポイントは、
・燃焼時間
・火の勢い
です。燃焼時間が短いと、火が炭に移る前にたきつけが燃え尽きてしまいます。また火の勢いが弱いと、そもそも炭に燃え移りません。よって、まずこの2つの性能が十分か確認しましょう。
ただし、灯油などの揮発成分を使っているたきつけの場合、燃焼時間が長いと、こうした成分が食べ物に移る可能性が高まります。それが嫌な方は、揮発成分不使用のたきつけを選びましょう。
おすすめのたきつけを用途別にいくつか挙げておきます。ぜひ参考にしてください。
①防水ファイアーライター(ロゴス)
火起こしで絶対に失敗したくないという方には、たきつけの代名詞・ロゴスの防水ファイアーライター。燃焼時間(13〜17分)・火の勢い、ともに申し分ありません。水に濡れても火がつき、一度ついた火は水をかけても消えないほど強力な着火剤です。
(本当に水をかけても消えません。また水の中でも着火できます)
ガストーチ(バーナー)でも火起こしできない薪ですら、これを使えば簡単に燃えます。迷ったらこれを選んでおけば間違いなしです。
②森の着火材(ユニフレーム)
イヤなニオイがしないたきつけがいいという方には、ユニフレームの森の着火材。
木材から作られた自然由来の環境に優しいたきつけです。燃焼時間は7分と短いですが、火の付きがとても良いので、先になくなってしまう心配はありません。また強力な着火剤と違って、火がいきなり "ブワッ!" と燃え上がらないので安全に使えます。36個入りと大容量で、1個あたり40円ちょっととコスパも抜群。
そして、灯油などの揮発成分を使っていないので、ニオイはしません(煙は出ます)。またこうした成分が食べ物に移る心配もありません。
ちなみに森の着火材は、障害者支援などを行っているNPO法人・社会福祉法人の皆さんが、すべて1から手作りしているそうです。
③文化たきつけ(丸実富士屋商店)
とにかく早く炭を起こしたい! 火力第一! という人には、こちらがおすすめです。
北海道の丸実富士屋商店さんが昔から作っている着火剤で、道民の皆さんのあいだで昔から絶大な信頼を集めています。なんといってもよく燃えます。燃焼時間も5分と短いですが、火の勢いが強いので、火起こしにはじゅうぶんです。
たまにニオイや煙が凄いという声を聞きますが、揮発成分(灯油)を使用しているわりには、そこまでキツくありません(ただ人によっては気になるレベルです)。また燃焼時間も5分と短いので、揮発成分が食べ物に移るリスクも他のたきつけより低いです。
ただし、管理方法を間違えると燃焼成分が揮発してしまうので、火の着きが悪くなります(密閉できるフリーザーバッグなどに入れてください)
まとめると、こんな感じです。
防水ファイアーライター | 森の着火材 | 文化たきつけ | |
---|---|---|---|
燃焼時間 | 13〜17分 | 7分 | 5分 |
火の勢い | ◯ | △ | ◎ |
安全性 | ◯ | ◎ | ◯ |
揮発成分 | 使用(n-アルカン) | 不使用 | 使用(灯油) |
ニオイしない | △ | ◯ | △ |
煙出ない | ◯ | ◯ | △ |
コスパ | ◎ | ◯ | △ |
その他 | 水に濡れても火が着く | 食べ物に揮発成分が移るリスクがない | とにかく火の着きが良い |
たきつけを使った炭の正しい起こし方
では、実際にたきつけを使って炭をどう起こすのか、説明します。今回は文化たきつけを使用します。
(基本的なやり方は、どのたきつけでも同じです)
①たきつけを炭の下に用意
炭5~6個に対して、たきつけ3~4本を用意しましょう。初心者の人は本数を多くしても大丈夫です。
まずBBQコンロの一番下に、たきつけを敷きます。そして、その上に炭を並べていきますが、このときギュウギュウに敷き詰めるのではなく、真ん中に隙間を作りながら高く積み上げていきます。イメージはキャンプファイヤーの形です。
この真ん中の隙間は、空気の通り道になります。大きすぎる炭はハンマーなどで砕き、小さくしてから使いましょう。
炭を積んだら、マッチやライターで着火剤に火をつけます。このとき火傷に注意してください。少し怖いという方は、火をつけたマッチを放りこむと良いでしょう。
②炭に触らないで待つ
ありがちな失敗は、着火剤に火をつけた後、すぐ炭を移動させてしまうことです。
完全に火がついていない炭を動かすと、すぐに火が消えてしまいます。なので着火剤に火をつけた後は、10分くらい放置しましょう。
10分後、うちわであおぎ、酸素を送り込んであげます。すると、5分くらいで火の勢いが増し、炭に火がついてくれます。その後、炭が白くなってきたら、完全に火がついた状態です。
③炭を全体に広げる
炭が白くなった(=完全に火が付いた)状態になったら、BBQコンロ全体に炭を広げていきます。
そのあとは、火力が弱くなりそうな時に炭を足していけば問題ありません。完全に火が消えてしまう前に炭を足すのがポイントです。万が一、火が消えてしまったら、たきつけを使ってもう一度、火を起こしましょう。
たきつけを使うときの注意点
たきつけを使うときは、次の2つの点に気をつけてください。
①途中でたきつけを追加しない!
炭に火がなかなかつかなくても、途中でたきつけを追加してはダメです。灯油などが含まれているたきつけは、追加した途端、勢いよく燃え上がって火傷する危険があります。
どうしても入れたい場合は、火ばさみなどを使いましょう。決して素手で入れないでください!
②炭の上にたきつけを置かない!
たまに炭の上にたきつけを置く人が居ますが、特に意味はありません。燃えている火は上に向かっていきますので、たきつけは炭の下に置きましょう。
おわりに
簡単に火をおこせる人って、カッコいいですよね! というわけで、皆さんもたきつけを使って、カッコよく簡単に火をおこしちゃってください!
たきつけには種類が色々ありますが、今回はよく使われる "文化たきつけ" をご紹介しました。ホームセンターなどで簡単に購入できるので、ぜひ使ってみてください!
自然をこよなく愛するアウトドアライター。テント泊が大好きで、テントを張れる場所であればどこでもテント泊します。わいわいキャンプも好きだけど、少人数のしっぽりキャンプも好き。培った経験をもとに、使っているギアや読者様のタメになる情報を発信していきます。
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