キャンプ場でスナップ写真を撮るのは楽しいものです。友達と大自然のなかでパシャッ。あとで見たときに思い出も鮮明に蘇りますね。ですが、たとえば夜にスナップ写真を撮影することができたらどうでしょう。それも、フラッシュをたくと味気ない絵になってしまうので、月光を利用して撮ってみようじゃありませんか。星の撮影だなんて肩に力を入れず、軽いお遊びのつもりで試してみてください。
そんな、月明かりでのスナップ写真の撮り方をご紹介します。
月明かりでのスナップ写真とは
月の写真、ではありません。月明かりを利用して撮影する写真遊びのことです。もっと具体的に言うと、月明かりをフラッシュ替わりにしてスナップ写真を撮ってしまおうということです。
理屈としては星景写真とほぼ同じで、普通に撮影すると真っ暗に撮れるだけですが、シャッタースピードを遅くすることで夜間でも明るい写真を撮ってしまおうというものになります。こんな写真を撮ることができます。
これは、深夜11時、月が半月の夜に撮影しました。実際は真っ暗でなにも見えない状態で、公園のか細い街灯がついている程度でしたが、撮影するとこんなに明るく、昼間のように撮れます。なにより特徴的なのは、空に星空が写っていることです。スナップ写真としては珍しくて面白いと思います。
必要なもの
星景色写真と同じく、一眼レフカメラと三脚があれば撮影可能ですが、もうひとつ必要なものは、モデルになってくれる人です。もちろん、一緒にキャンプに参加している友達や家族を撮ってしまいましょう。
撮影方法
大前提として月明かりがある夜に撮影を行ってください。できれば半月~満月のほうがきれいに撮れます。撮影するものが明るければ明るいほどカメラでは撮影しやすいからです。月のない状態でも撮影できなくはありませんが、ISOを高くする、という設定が必要になってきますので、撮影された写真が汚くなりがちです。
次に、以下のように設定してみましょう。
・ISOをやや高め(400~800くらい)
・シャッタースピードは10秒程度か、もっと短くてもOK
・ピントはマニュアルにし、撮影しながら調整
・月が撮影する人の背中側にくるように撮影(こうすることで、被写体に満月の光がたくさん当たる)
あまりむずかしいことは考えず、デジカメですから、とりあえずシャッターをバシバシ切ってためしてみてください。
背景には、星空を入れてみたいところです。さきほどの写真のように芝生や木々が写ってもきれいです。また、少し暗めに写したほうが夜の感じが出てよいかもしれません。明るすぎると、下の写真のようになり、昼間の写真と変わらなくなってしまいます。
ちなみにこのときも、実際は真っ暗闇でなにも見えない状態でした。
最後のコツ。それは、シャッタースピードが10秒であれば、10秒間動かないということです。10秒間はファインダーが開きっぱなしになり、光を取り込み続けていますので、動くとその軌跡がそのまま写真に写り込んでしまいます。昔、カメラが日本に入ったころは、1枚の撮影に何十分もかかり、その間動いてはいけなかった、という話を聞いたことがありますが、理屈は全く同じです。
実際撮影してみると、思った以上にみんなで盛り上がれます。実際は真っ暗なのに、シャッターをきると昼間のように明るく撮影されるからです。つい、いろんなポーズや構図で試したくなり、あっという間に時間が過ぎ去ります。タイマーをセットして家族写真なんて撮ったら、素敵な記念写真になるのではないでしょうか。
星空とカメラが好きな、元、天文台職員。ワイルドキャンプに憧れているのに、つい温泉付きキャンプ場を選んでしまう今日このごろ。鹿児島県を中心にキャンプをしていますが、まだまだ行ったことのない、行ってみたいキャンプ場がたくさんあります。少しずつ写真に収めながら、ぼちぼちと楽しもうと思います。
関連する記事
-
便利アプリ「iステラ」で星空を楽しむキャンプを実現!
(評価数:0件) -
【キャンプで語る星の雑学】なぜ月が赤く大きく見えるのか
(評価数:0件) -
【星の世界へようこそ】キャンプでとびきりの流星群と遭遇しよう!
(評価数:0件)