ナイフの入門編といえばオピネルナイフ。今回は使う前の下準備や黒錆加工の方法をご紹介していきます。購入を検討している方は、ぜひご参考にしてくださいね。
フランスの刃物メーカー「オピネル」
オピネルナイフの原型が誕生したのは1890年。ジョセフ・オピネルというフランスで野鍛冶をしていた方が考案しました。ナイフは彼の名前を取って「オピネル」と名付けられます。使い勝手に優れたシンプルなデザインは、120年以上たった今もほとんど変わっていません。
サイズや形によって、No.1〜No.13までのバリエーションがありますが、No.1とNo.11は現在生産を停止しています。
フランス人では子どもがナイフを扱えるくらいの歳になると、両親がプレゼントするくらい生活に馴染んだアイテム。オピネルナイフはフランス文化に欠かすことができないナイフなんです。
オピネルナイフの特徴
オピネルナイフの特徴は、
・造りが頑丈
・機能的で使いやすい
・コストパフォーマンスに優れている
といった点が挙げられます。
また、ナイフの部品はすべてフランス国内で生産。ひとつひとつが熟練の職人による手作りです。そして、すべてのナイフにはセーフティーロック機能がついているため、ナイフを収納した後、ふとした拍子に刃が出る心配がありません。
オピネルナイフは大きく分けると2種類ある
オピネルナイフは、ステンレススチール製とカーボンスチール製の2種類に大きく分かれます。ここでそれぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
ステンレススチール製
ステンレススチール製のオピネルナイフは、カーボンスチール製と比べて錆びにくいのが特徴です。ハンドル部分は木製で持ちやすく、独特の温かみあるデザインに自然と愛着が湧きます。また頻繁に研ぐ必要がないので、お手入れも楽。「初めてナイフを使う」という方におすすめです。
メリット | ・錆びにくい ・初心者でも使いやすい |
---|---|
デメリット | ・カーボンスチール製に比べると切れ味が劣る |
カーボンスチール製
カーボンスチール製のオピネルナイフは、ステンレススチール製と比べて切れ味に優れ、研ぎやすいのが特徴です。一方で錆びやすいため、ご自身で黒錆加工を施して錆びを防止しなければいけません。このようにナイフの下準備に時間がかかりますが、そのぶん自然と愛着が湧くナイフでもあります。
メリット | ・切れ味が良い ・研ぎやすい |
---|---|
デメリット | ・錆びやすい ・使うたびに研がなければいけない |
オピネルナイフの下準備
オピネルナイフを購入したら、使う前に必ず下準備を行いましょう。ハンドル部分が木製のため、水分を含むと膨張してゆがみの原因になります。そうするとブレード(刃)の出し入れがスムーズにいかなくなってしまうのです。
下準備の方法
下準備といっても特に難しいことはしません。ナイフ初心者の方でも簡単にできますので、ご安心ください。
●用意する材料
オピネルナイフ | 1つ |
---|---|
亜麻仁油 or エゴマ油 or クルミ油 | 適量 |
ビニール袋(ジップロック等) | 1枚 |
タオル | 1枚 |
①オピネルナイフを購入したら、ブレードが収納されている状態でビニール袋に入れます。
②ビニール袋に、ナイフ全体が浸かるくらいの油を入れます。
③24時間、放置します。
④袋からナイフを取り出し、タオルで油を拭き取ります。
⑤ブレードを出した状態で、24時間乾燥させたら、下準備は完了です!
カーボンスチール製は黒錆加工をしよう
カーボンスチール製のナイフを購入したら、下準備の前に黒錆加工をしましょう。これはブレードの表面を薄い皮膜でコーティングして、赤錆びを防ぐためです。
ただ、黒錆加工を施すにはナイフを分解する必要があるので、ケガには注意してください。
オピネルナイフを分解する方法
まず分解の手順です。用意するものはこちらです。
・プライヤー
・ポンチ
・ハンマー
・マスキングテープ
①ロックパーツを外していきます。
②ブレードをしまったままロックをかけます。
③パーツが飛んで行かないように、ロックパーツにマスキングテープを張ります(少し遊びを持たせて貼ると良いですよ)
④プライヤーでしっかり持ち、ブレードを開いていくと、ロックパーツが外れます。
⑤ブレードを止めているピンを外していきましょう
⑥出っ張っている方の逆から、ポンチをあててハンマーで叩きましょう。
⑦ハンマーで叩くとピンが出てきますので、フライヤーで抜きます。
⑧フライヤーでブレードを外しましょう。
⑨最後にハンドルについているパーツを手で外したら、分解完了です!
黒錆加工の方法
オピネルナイフが分解できたら、今度は黒錆加工です。
用意するものはこちらです。
・耐水ペーパー(1000番)
・シリコンオフオイルスプレー
・紅茶
・酢
・ヤスリ
・ウエス
①ブレードについている錆びや汚れを、1000番の耐水ペーパーを使って落としていきます。
②錆びや汚れを落としたら洗剤で十分洗い、ブレードの表面についている油分をシリコンオフスプレーで落としていきます(その後の工程がスムーズにいくように、この脱脂作業は丁寧に行いましょう)
③紅茶8に対して酢2を混ぜ合わせます。
④よく脱脂したブレードを、その中で約1時間漬け込みます。
⑤ブレードを収納していたハンドル部分は水分を含むと膨張し、ブレードの出し入れが難しくなるので、ヤスリをかけて広げていきましょう。
⑥漬け込み終わったブレードを、ウエスで拭き取ります。
⑦黒錆がついていることを確認できたら、黒錆加工の完了です!
オピネルナイフを組み立てる方法
黒錆加工が完了したら、今度はナイフを組み立てましょう。分解ができれば組み立ては簡単です。ケガには十分注意してくださいね。
①ハンドルにブレードを差し込みます。
②ハンドルについていたパーツをつけましょう。
③ピンをはめる前に穴の位置を確かめます。
④ハンマーを使い、ピンを奥までしっかりはめます。
⑥ロックパーツを手ではめて完成です!
黒錆加工が完了したら、先ほどご紹介した「オピネルナイフの下準備」を行いましょう。なお皮膜は使っているうちに剥がれてくるので、定期的に黒錆加工を施してください。
おわりに
オピネルナイフは、コストパフォーマンス・機能・デザインいずれにも優れた素晴らしいナイフです。下準備や錆止め加工の手間はありますが、初心者の方でも使いやすいので、ナイフ初挑戦の方にオススメですよ!
自然をこよなく愛するアウトドアライター。テント泊が大好きで、テントを張れる場所であればどこでもテント泊します。わいわいキャンプも好きだけど、少人数のしっぽりキャンプも好き。培った経験をもとに、使っているギアや読者様のタメになる情報を発信していきます。
関連する記事
-
【キャンプに慣れて来た方へ】大活躍!フランスのオシャレなナイフ「OPINEL」のススメ
(評価数:0件) -
【モーラナイフ入門】おすすめの種類とバトニング用など選び方を解説
(評価数:0件) -
【マルチツール】できる男ならレザーマン ウェーブがおすすめ
(評価数:0件)