自宅でできるクライミングトレーニング ―保持力編―

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クライミングトレーニングの定番といえば、懸垂・体幹・保持力ですが、今回は保持力を扱います。

保持力を鍛えると、より高グレードの課題やルートを攻略できるようになります。怪我のリスクも抑えられるので、普段から鍛えておきたいところです。

 

必要なもの ーフィンガーボードー

まず初めに、必要なものを紹介します。

保持力トレーニングは、フィンガーボードという専用のトレーニング器具が必要です。ぶら下がれそうな頑丈なクローゼットや階段でも可能ですが、角が指に刺さって痛いですし、負荷を調整しにくいので、フィンガーボードをオススメします。

筆者の一番のおすすめは、Beast Makerの製品です。

こちらの特徴は、ガバ(優しめのホールド)、カチ(小さめのホールド)、スローパー(指全体で持つようなホールド)、ポケット(3~1本の指で持つホールド)が、すべて詰め込まれている点です。また、木がしっかり加工されていて指に優しく、トレーニングで指が痛むことがありません。

Beast Makerには、Series1000と2000があります。2つの違いはホールドの難易度です。1000はガバが付いていて初心者向け、2000は急角度のスローパーが付いていて上級者向けです。筆者のオススメは2000。5~3級を登れる人なら、2000を買っておくと上達してからも長いあいだ使えるからです。

デメリットとしては、値段が高く、取り付けが難しい点です。通常は、ドアの上にネジで付けますが、壁の強度が足りなかったり、壁に穴を開けられなかったりすると、専用のスタンドまで必要になります(あるいは工夫して懸垂器具につけるしかありません)

なお、以下の動画は英語ですが、取り付け方の工夫が学べます。興味のある方はご覧ください。

家に取り付けられない、上のような工夫が面倒という方は、ロープで吊り下げるタイプがオススメです。

こちらは、ロープが付いていてカラビナで、家の柱やガレージの鉄筋等などに取り付ける製品です。Metoliusのロックリングス、PUCのIl domaniなど、各メーカーから様々なアイテムが出ているので、自分のレベルに合わせて購入してください。外岩に行った際も、木にぶら下げてウォームアップに使えます。

 

トレーニング方法

フィンガーボードが用意できたらトレーニングです。レベル別に紹介していきます。最終目標は、第一関節が入るホールドに片手でぶら下がれるようになる、です。

まず一番重要なのは、無理は禁物ということ。怪我しては本末転倒です。快適な範囲で行うのが、フィンガーボードトレーニングの秘訣です。背伸びはしないで、快適にできる範囲を広げていくイメージでトレーニングしてください。

レベル1 一番簡単なところにぶら下がる

5級はまだ登れないという方は、一番簡単な部分、または懸垂器具にオープンハンドでぶら下がるところから始めましょう。オープンハンドとは、手を開き、握りこまないフォーム。より効率的に鍛られるので、ぜひ手の形を覚えておいてください。

いきなり難しい部分にぶら下がると、指を怪我する恐れがあります。まずは無理せずゆっくりと慣らしていきましょう。

初めはぶら下がる時間と休憩時間を同じにします。例えば

ぶら下がり10秒 + 休憩10秒
ぶら下がり8秒 + 休憩8秒

こんなトレーニングを3~5回、繰り返します。

同じ秒数がきつかったら、休憩時間を1.5倍にしてください。ただし、休憩が長すぎるとトレーニングの効果が薄くなります。1秒でもいいので、なるべくぶら下がれるように頑張りましょう

レベル2 少し力を入れてぶら下がる

次は少し力を入れてぶら下がってみましょう。つまり、体を少し引き上げた状態でキープするということです。

普段のクライミングで、ただぶら下がるシーンはあまりなく、少し壁に引き付けた状態で止まっていることがほとんどです。そのため、少し力を入れて自分の体を引き上げるイメージでぶら下がると、よりクライミングの状態に近い形でトレーニングできます。また、保持力と同時に広背筋も鍛えられます。

こちらもトレーニングと休憩の秒数は同じにしてください。

レベル3 少し力を入れた状態でインターバルを減らす

レベル2が安定したら、次はインターバルを減らしましょう。

ぶら下がり10秒 + 休憩5秒
ぶら下がり8秒 + 休憩4秒

こんな感じのセットを3~5回やります。後半になると、思ったよりきつくなってきます。

レベル4 一段階難しい所で少し力を入れてぶら下がる

5~4級を登れる方は、一段階難しいところでぶら下がりトレーニングをしましょう。大半のフィンガーボードは下段ほど難しくなるので、一つ下の部分を持ちます。

やることはレベル1〜3と同じで、ただぶら下がる、少し力を入れてぶら下がる、インターバルを半分にする、これを繰り返すだけです。

そして、そのホールドに慣れてきたらまた一段下、それも慣れてきたら指の本数を減らす、そして3本指ができるようになったら、次のレベルに進みます。

レベル5 重りを背負ってぶら下がり

3本指のぶら下がりができる人は、重りを背負ってぶら下がるトレーニングから始めましょう。ただ、重りを背負うと怪我のリスクが高まるので、重りなしで一番難しいところを保持できる人も、必ず一番簡単なガバから始めてください

このレベルでもやることは同じで、ぶら下がりと、その半分のインターバルを取ったトレーニングをします。

レベル6 片手でぶら下がる

重りを背負っても余裕なら、一番優しいホールドに片手でぶら下がれると思います。そこで、一つ下の所に片手でぶら下がるトレーニングへ入りましょう。

片手でぶら下がる場合、バランスも取る必要があるので、ただぶら下がると体が回転します。少し力を入れた状態で、なるべく体が動かないようにしてください。すると、前腕以外の部分もより効果的に鍛えられます。

 

最後に

そうして、一段目が簡単になったら二段目、三段目、3本指、2本指としていき、トップクライマーへの道を歩んでいってください。

ただ繰り返しになりますが、無理は禁物。怪我をしたら本末転倒です。少し余裕のある範囲で行うのが、上達の秘訣です

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