メーカー独自素材も熱い! トレイルランレインジャケットの最新事情について解説!

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これまで使用していたThe North Faceのレインジャケットに穴が開き、レースのレギュレーションに通るか怪しくなってきたので、新調しに行きました。そのときお店で最新のレインウェア事情について、ヒアリングしてきました。

これまでレインウェアと言えば、GORE-TEX素材をアウトドアメーカーが商品化するのが当たり前でしたが、最近は「メーカー独自素材」も注目を集めています。

中でも、The North Faceが最高峰モデルである「SUMMIT SERIES」に導入すると発表した独自素材「FUTURE LIGHT」は、GORE-TEXに代わる新たな素材として期待されています。

現在のトレイルランレインジャケット市場はこれが主流!

現在、トレイルランのレインジャケット市場では主に

・GORE-TEX 3レイヤー「GORE-TEX ACTIVE」
・GORE-TEX 2レイヤー「SHAKEDRY」
・The North Faceの独自素材「FUTURE LIGHT」

この3つが主流で、ユーザーの目的によって使い分けされています。

本記事ではそれぞれの素材について解説したいと思います。

安心の剛性と軽量のGORE-TEX ACTIVE


(GORE-TEXホームページより)

私は、これまで「ストライクトレイルフーディ」を使用してきました。これも3レイヤーです。非常に軽量で、パッキング時もかなり小さくなるので、トレイルランニングには非常に心強いレインウエアです。

ファストパッキングや雨の日のランニングなどにも使用できましたが、これもFLIGHT SERIESの動きやすさが自然とそう感じさせたのでしょう。

ファストパッキングでアルプスを縦走した時にも、ウインドブレーカーとして重宝しました。ファストパッキングは機動力を維持しないとスケジュール通り目的地に到着できないので、3レイヤーの軽量&コンパクトさには助けられました。

薄手ですが、風をしっかり防いでくれ、外気温が低くなった場合はベースレイヤーを厚手にすれば夏場の夜のアルプスでも問題ありません。

また、大峯奥駆道の縦走でも力を発揮してくれました。

この時は水場も限られる難コースを時間内に走る必要があり、攻略の為には日中の行動しやすさと夜間の温かさが必要でした。そこでレインジャケットを3レイヤーで軽量化し、ベースレイヤーを充実させ、昼夜の快適さを確保しました。

トレイルラン用に開発されたレインジャケットなので、薄いナイロンで外側をコーティングされている程度ですが、枝に少し引っかかったくらいでは破れません。ザックを背負って走ったり、ちょっとした転倒でも破れたりはしません(ただ岩場でダイブしたら破けます)

ただ、外側のナイロンに水が若干染み込んでしまうのが欠点です。レース中、ペースが落ちた時やアクシデントがあった時に低体温症につながりそうな冷えを感じます。ただ、下に着るもので調節すれば問題ない程度で、再びレインウェアを購入する時でも3レイヤーでもいいと思える位です。

驚きの撥水性と透湿性のSHAKEDRY


(GORE-TEXホームページより)

SHAKEDRYは2層構造で、ジャケットの強度を出すナイロン層がない男前な構造です。

このモデルのいいところは、撥水性と透湿性。雨をはじき、速乾性も優れています。

一方、剛性の低さが欠点です。現在出ているFLIGHT SERIESのSHAKE DRYのウェアは、この関係で、ザックの上からレインジャケットを着るのを前提としています。

また前方にハイドレーションのファスナーが付いていますが、これはザックの後ろにものを良く入れるトレイルランナーにとっては要注意です。違和感を覚えなければ問題ないですが、ザックを外側に背負って走りたい選手は使いにくいかもしれません。

私はエイドステーションで、ザックの後ろに入れたジェルのパックを、すぐ取り出せる前方に移してレース中に補給しやすくしています。ただ、ザックの上からレインジャケットを着る場合、ウェアを脱ぐ必要があるので少し面倒な気がします。

ただ3レイヤーよりも軽量で、撥水性と高い透湿性も誇るこのレインジャケットは、かなり使い勝手がいいです。

SHAKE DRYはトレイルランでも大活躍

速乾性で外側の生地が水を含まない機能性から、多くのトレイルランナーから支持を集めています。

目まぐるしく変わる地形やレース展開、天候などにより、トレイルランナーの体温は大きく上下します。そんな時にレインジャケットに必要なのが透湿性です。

高い透湿性により、熱と湿気がレインジャケット内にこもらないので、体温の上昇によるパフォーマンスの低下を防げます。

レインジャケット内がドライなら汗冷えしないので、低体温症予防にも効果があります。

動画からも分かるように、濡れたウェアを振っただけで水滴が落ちるくらい高い撥水性があります。

最近は剛性の高いSHAKEDRYも出てきた

GORE-TEXのSHAKEDRYは、メンブレンが外にむき出しになっているため、剛性の低さが課題でした。

トレイルランでは剛性が重要です。剛性が低いと、ザックを外側から背負えませんし、木の枝が多いコースではすぐ破れてしまいます。

しかし最近では、外側からザックを背負えるモデルも出てきています(軽量ザック限定)。内側が起毛していて、トレイルランレインジャケットより強度が高い製品も発売されています。

このあたりの剛性に優れたモデルなら、ザックをレインジャケットの上から背負えますし、ファストパッキングでも使えそうです。

動画は、Haglofsの「L.I.M Series Shekedry Hood」です。SHAKEDRYを使っています。

The North Faceの独自素材・FUTURE LIGHT

ここまではGORE-TEX素材のレインウェアの紹介でしたが、ここからはそれに代わると期待されるThe North Faceの独自素材、FUTURE LIGHTを見ていきます。

トレイルランなどの激しいワークアウトに最適

FUTURE LIGHTは、透湿性が従来のGORE-TEX素材より高く、トレイルランなど激しいワークアウトを伴うスポーツにうってつけです。レインジャケットはレース中の着脱がタイムロスでしたが、このジャケットの優れた透湿性なら、その必要もありません。

最初はSUMMIT SERIESというThe North Faceの最高峰モデルに導入されましたが、最近はトレイルランのレインジャケットにも導入されています。

GORE-TEXとFUTURE LIGHTの透湿メカニズムの違い

GORE-TEXの透湿性は、外気の温度差がある時に発揮されます。たとえば、ジャケットの外が10℃、中が30℃の場合、ジャケットの中の熱を外に逃がそうとします。

そのため、ジャケットの中と外の温度差が少ない時(梅雨の時期など)は、透湿性が発揮されないため、蒸れた感覚が続いてしまいます。

一方、FUTURE LIGHTは、中と外の温度差に関係なく空気を入れ替えるので、ジャケットの中は常に乾燥した空気で満たされます。

この違いは、3レイヤー中の中心生地の違いによります。

GORE-TEXは、GORE-TEX MEMBRANEというフッ素系樹脂を使用しており、この層は非常に丈夫で劣化しません。

一方、FUTURE LIGHTは、真ん中の層が柔らかくストレッチ性があり、使うほど劣化していきます。しかし、FUTURE LIGHTは、この劣化しやすい生地を外側の層と内側の層で挟み込んでいるため、仮に劣化しても外側からは分かりません。

GORE-TEXとFUTURE LIGHTの着心地の違い

これまで私が使用していた3レイヤーのストライクトレイルフーディも着心地は良かったですが、GORE-TEXのジャケットは生地にナイロンを使用しているため、やや固めに作られています。

ナイロンを使用すると多少の硬さはありますが、生地の強度が増すので、枝にひっかけたり転倒したりしても簡単には破れません(ナイロン層が薄いものだと破れやすいです)

一方、FUTURE LIGHTはポリエステルを使用しています。伸縮性があって柔らかく、トレイルランニングなどの激しいスポーツに適した素材です。ナイロンより丈夫さが劣る欠点はありますが、3レイヤーより着心地はかなり良いです。

登山用には注意が必要

SUMMIT SERIESに使用され始めた頃は、従来のGORE-TEXよりレインジャケットの下を少し暖かくする必要がありました。これはGORE-TEXより通気性が高いためです。

スノーボードや、バックカントリースキーでは、山道を歩き回るので、FUTURE LIGHTは非常に良いとされますが、過酷な登山などは冷たい空気がウェア内を循環するので、注意が必要です。

自分が欲しい機能でレインジャケットを選ぼう!

以上、最近トレイルランナーから選ばれているレインジャケットの解説でした。

FUTURE  LIGHTは発売したばかりの生地なので、耐久性など未知の領域が多いですが、非常に期待できます。とはいえ、GORE-TEXもまだまだ根強いファンがいるので、このライバル素材に対抗する新素材を開発してくるのではないかと思います。

皆さんもいろんな素材を試して、狙っているレースに合ったレインジャケットを選んでみましょう!

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