トレイルランにおけるGPSウォッチの活用方法

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トレイルランで、GPSウォッチは非常に頼れる武器になります。現在走っているペース、これまで走ってきた距離、心拍数、獲得した標高など、実にさまざまな情報を走りながら取得できます。

フルマラソン以上に距離のあるトレイルランニングは、たびたび襲いかかるアクシデントにどう対処するかが問われるスポーツ。ペース配分や心拍数、この数kmで何m標高を稼ぐことになるか等の情報は重要です。完走を狙う選手も、入賞を狙う選手も、ぜひ活用しましょう。

GPSウォッチはレースでどんな役に立つのか?

自分が何キロ地点を走っているのか確認できる

GPSウォッチを使用する利点の1つに

「自分が走っている距離がわかる」

があります。

高低図との照らし合わせによりわかりますが、自分が何キロ地点を走っているかわかると、あと何km走ったら大きな山に差し掛かるか把握できます。

これは体調管理にもメンタル管理にも重要な要素で、走ってきた距離や時間がわかれば、その距離・時間までに取らなくてはいけない補給食等を確実に摂取できます。

以前、私は通常のストップウォッチ機能だけのウォッチをつけていましたが、これだと経過した時間のみしかわからず、距離表示の少ないレースだと何km走ってきたのかわからず大変苦戦しました。

登りがどのくらい継続するのか確認できる(高度計)

GPSウォッチは、自分がどのぐらい登ってきたかが数値により表示されます。

高低図により、これから先600mの上昇が待っているとした場合、登り始めたときの標高を記録しておけば、そこからどのぐらい上りが続くのか目安を把握できます。

この目安がわからないと、どこまで続くかわからない登りにメンタルがやられてしまいますし、登りのペース配分を組むこともできません。

平均心拍を確認してペース配分を考えられる

最近では光学式心拍計の導入により、手首から心拍を取るのが一般的になってきました。

この心拍計ですが、レース中の自己管理に非常に便利です

フルマラソンより距離が長いトレイルランニングは、フルマラソンと同じペースで走ると潰れてしまいます。そうならないためにも自分で心拍を管理するのが大事です

例えばレースで心拍数が170bpmを超えていた場合、これはフルマラソンより高い心拍で走っています。そうなると計測時は気分的にゆとりがあっても、ゴールへたどり着く頃にはヘロヘロになってしまいます。

ペースにより人間は使用するエネルギー源も変わってくるので、運動強度を測る目安である心拍はしっかり管理しましょう。

オススメのGPSウォッチ

私がオススメするGPSウォッチは「SUUNTO9」です。

SUUNTOとは

SUUNTOはもともとフィンランドのメーカーです。コンパスの溶液充填の画期的な生産方法を発明したことで知られ、創業したトーマス・ヴォロネンはオリエンテーリングのトップ選手でした。

私はGPSウォッチを購入しようと思った時、ガーミンと悩みましたが、以前使用していたスントのGPSウォッチ、「AMBIT3VERTICAL」がトレイルランニングで非常に使いやすかったので、そこからSUNNTOを愛用しています。

ただ、以前トレイル仲間にガーミンのウォッチを使わせてもらった時、機能的にはSUUNTOと大きく変わりませんでした。私がSUUNTOを気に入っている理由は、デザインとブランドのストーリーがトレイルランニングにピッタリだと感じたためです。

また、SUUNTOにしかない機能もあります。

ウルトラトレイルにも対応「スマートリマインダー機能」

以前使用していた「AMBIT3VERTICAL」は、機能的には優れていましたが、長時間使用するとバッテリーが持たないという課題もありました。

トレイルランは100km近いレースもあり、この距離を走っている間、ウォッチを起動させておく必要があります。ですが、AMBIT3VERTICALはバッテリーが8時間くらいで切れてしまい、その後はゴールまでの距離、現在の時間等を自分で予測するしかありませんでした。

しかしSUUNTO9には「スマートリマインダー機能」と言う画期的な機能が導入されました。バッテリーが少なくなってきた時、長時間持つバッテリーモードを自動でウォッチが提案してくれる機能です。このおかげで、レースの途中で突然バッテリーが切れてデータが取れなくなるというトラブルはなくなりました。

正確なログが取得できる

またSUUNTO9には「Fused Track」と言う機能があります。

SUUNTO9のスマートリマインダー機能は、バッテリーを持たせるかわりにGPSログの正確さを犠牲にします。しかし、このFused Trackによって、GPS精度を下げても道程と距離の精度を向上させることができるのです。

これにより長時間バッテリーを持たせる、GPSの精度が下がるのと防ぐという2つの課題の解決に成功しました。

光学式心拍計を採用

これまでSUUNTOのAMBIT 3 VERTICALを使用している時には、心拍計は胸につけるバンドを使用していました。

しかしSUUNTO9に買い換えてから、搭載されている光学式心拍計を頼っています。これが非常に快適なんです

これまでつけていた「ハートレートバンド」は、走っているときに結構ずれてきました。

長距離を走るトレイルランニングでは大量の汗をかくため、スタート時とゴール後で体型が結構変わってしまいます。

また、ハートレートバンドも長時間の使用により汗を吸って伸びてくるので、走ってる最中にずり下がってくるのです。

心拍が拾える位置にあれば問題ないのですが、お腹までずれてくると無理なので直す必要があります。ただレースでいっぱいいっぱいの中、ずり下がったバンドを戻すのはとても面倒です。

そこで活躍するのが、この光学式心拍計です。これなら腕から心拍データを取れます。データの精度も、ほとんどハートレートバンドと同じです(稀にデータが飛ぶことはありますが)

これまでは練習時にまでわざわざハートレートバンドをつけなかったので、練習時の心拍データを取ることができませんでした。しかし、SUUNTO9なら腕から手軽に心拍データを取れるので、練習時のデータも取れます。

 

また、トレイルランニング以外の使い方もあります。たとえば腕につけたまま寝ると睡眠中の心拍を測定でき、安静時心拍を確認できます。

安静時心拍は疲労の指標となるので、練習メニューの設定にも便利です。

初めての山でもガイドしてくれるナビゲート機能

行ったことがない山でトレイルランニングをする時は、たいていポイントごとに立ち止まり、地図を見てコースを探す必要があります。しかし、意外とコースの確認に時間を取られて、まったくといっていいほど練習になりません。

以前、関西に住んでいた頃、近くに六甲山があったのでよく入ったものですが、分岐ごとにスマートフォンのアプリで方向を確かめるために立ち止まる必要がありました。ですが、トレイルランでスマートフォンを開くのはなかなか難しく、練習の質も落ちてしまいます。

そこで活躍するのが、SUUNTO9のナビゲート機能です

「MOVES COUNT」というSUUNTOのアプリには、トレイルランニングレースや、個人のトレーニングで記録したログデータ(距離や高低図など)が入っています。

新しい山でも、そのアプリ内にデータさえあれば、そのデータを家に取り込むことで数メートル単位の細かなガイドをしてくれます。それに従っていれば、途中で道を間違える心配もありません。

また、これから先どのぐらいの上りが待っているかなどを一目でわかる高低図もページを変えればウォッチ上に表示されます。

GPSをトレイルランで活用するには、高低図との合わせ技が必要

GPSウォッチをトレイルランの実戦で活用するには、高低図との組み合わせが必要になります。

レース前に高低図を作り込んでおけば、レース中のペース配分などの作戦を瞬時に立てられるのでオススメです。

私自身、レース中はかなり体調やメンタルの上下を経験しますが、高低図を見て修正することがよくあります。

そこで、この高低図について解説したいと思います。

トレイルランニングで重要なアイテム「高低図」とは

高低図とは写真のようにX軸に距離、Y軸に標高を表した図です。

距離に応じて獲得する標高が分かるので、この先にどれだけ大きい山を登らなくてはいけないのかが一目で分かります。トレイルランニングでは作戦を立てる際に重要なアイテムです。

マラソンなどのロードレースであれば、コースのアップダウンは気にするほどないので、記録を狙いたいなら前の集団に食らいついてゴールが来るまで我慢すれば良いですが、トレイルランではそうはいきません。

トレイルランの場合、同じ距離でも上る高さが地形によって異なるので、高低図がないとこの先のコースにどんな傾斜が待っているかわからないのです。ペースを落とすべき場所で落とすなど、メリハリある走りができなくなり、レース中にメンタル・体力をどんどん削られてしまいます。

よって、高低図は必ずザックに忍ばせておきましょう。

高低図に書き込んでおくべきポイント

高低図を準備したら、どの距離でどのぐらいの累積標高を稼ぐのかなどを高低図に書き込んでおきましょう。走りながら判断するのは難しいです。

高低図に記入すべき事項は、以下の4点です。

(1)エイドステーションの位置

何キロ地点でエイドステーションにたどり着くのかを書いておきましょう。ペース配分の役に立ちますし、どのタイミングで補給食をとっておくべきかを考える目安にもなります。

(2)エイドの内容

エイドステーションは、水しか置いていない場合もあれば、スポーツドリンクやアミノ酸飲料、食料まで置いてある場合もあります。また食料も、地元の名産品やバナナなどのフルーツなど、エイドステーションによって種類が違います。

エイドステーションに何が置いてあるかをあらかじめ書いておくと、走りながらどの補給食をどれぐらい取るか作戦を立てるのに役立ちます。

(3)ポイントとなる山までの距離、傾斜、路面の状況

動画などでコースの地形があらかじめ分かる場合、それを書いておくことも重要です。

例えば、5キロで800メートル登るコースがあったとしましょう。

それがアスファルトのロードであるか、岩場の多いトレイルであるかによって、準備内容が変わってきます。走りづらい路面がある場合、そこで体力を使うことは明らかなので、そこへ差し掛かる前に血糖値を下げないなどの工夫が必要です。

(4)ポイントごとに摂取する補給食

距離ごとにポイントを決めて、その距離までにどのぐらいのカロリーを摂取するのか、あらかじめ計算しておきましょう。

走っていると、自分がどのぐらい食べたかをつい忘れてしまいます。そこで、距離のポイントごとに食べるものを決めておき、その食べるものを1つのポケットに集中して入れておくのがオススメです。

高低図を作成する際のポイント

トレイルランの実戦で使える高低図を作るポイントは、以下の2点です。

(1)ラミネートする

汗が染み込まないように必ずラミネートしましょう。

トレイルランでは多くの汗をかく上、雨や霧、寒暖差などでザックがびしょびしょになることもあります。そのためザックに高低図を裸で入れておくと、濡れて見えなくなってしまいます。

(2)ザックに入り、しっかり見える大きさにする

走りながらでも情報が読み取れる大きさで作っておきましょう。

GPSウォッチと併せた活用方法

GPSウォッチと高低図を準備できたら、トレイルランニングの実戦でどう使うかを押さえておきましょう。

主に使用するポイントとしては、上りが挙げられます。

例えば、現在6.3km地点におり、高低図だと7km地点から300mの登りが始まるとしましょう。

そして、登り始めの地点に到達したとき、累積標高が557m地点を示したとします(下の写真をご覧ください)

ここから300mの登りが始まるわけですから、登り終わりは857mということになります。つまり、857mくらいまで我慢が続くということです。

上っている途中にも細かな距離表示等があればわかりやすいのですが、実際そういうレースはほとんどありません。しかしGPSウォッチと高低図で上り終わりのだいたいの標高を予測しておくと、うまくペース配分できるようになります。

GPSと高低図の活用方法はこの辺が最も重要になります。

それに加えて、上りの路面の状態も高低図に書いておけば、「ロードの上りなので思い切って走ろう」などと作戦立てすることができます。

  

例えば同じ300mアップでも、左の道と右の道では削られる体力やかかる時間は異なります。右側の道であれば、この道にさしかかる前にカロリーを摂取しておきたいところです。

まとめ

以上がトレイルランでのGPSウォッチの活用方法でした。

アレンジ次第で自分なりのベストな活用方法は見つかると思うので、是非購入して使い倒してみましょう!

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